アロンソ7年ぶり登壇「やっとだ!」フェルスタッペン、ハミルトン逆転ならずも2位確保 / F1カタールGP《決勝》結果とダイジェスト
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2021シーズンFIA-F1世界選手権 第20戦カタールGPの決勝レースが11月21日に行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインを飾った。後続に付け入るスキを与えない快勝だった。
2位はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが獲得した。予選での二重黄旗無視によって5グリッド降格が科されながらも5周目に2番手にカムバックし、チャンピオンシップ争いでのダメージを最小限に抑えるファステストラップ・ポイントを確保した。
3位はアルピーヌのフェルナンド・アロンソ。ソフト、ハードと繋ぐ1ストッパーを成功させ、2014年ハンガリーGPでの2位以来となる7年ぶり、復帰後初の表彰台に上がった。
この日のDriver of the Dayにも選ばれた40歳のスペイン人ドライバーはマクラーレン・ホンダ時代の僚友ジェンソン・バトンからのインタビューを受け「信じられない、7年ぶりだ! やっとだ」と喜びをあらわにした。
「最初から1ストップを狙ってたんだけど、ここを走るのは今回が初めてでタイヤの摩耗具合がどうなるか読めなかった。それでもクルマは最高だったし、(チームに)相応しい結果を持ち帰る事ができた。本当に長い間、この時を待っていたんだ。凄く嬉しいよ」
PODIUM FEELS 🙌
It's been seven years since @alo_oficial celebrated like this in parc ferme – what a moment! 🤩#QatarGP 🇶🇦 #F1 pic.twitter.com/4htTYPlRpu
— Formula 1 (@F1) November 21, 2021
レッドブル・ホンダは予選Q2敗退のセルジオ・ペレスも4位フィニッシュと巻き返し、2台揃って上々のポイントを持ち帰った。ライバルのバルテリ・ボッタスがリタイヤを余儀なくされた事で、チャンピオンシップでのメルセデスとの点差は5ポイントにまで縮まった。
アルファタウリ・ホンダ勢にとっては最悪と言っても過言ではない失望の結果に終わった。ピエール・ガスリーはキャリア初となる繰り上がりの最前列2番グリッドからスタートしたものの11位に、8番手スタートの角田裕毅は13位と、大量ポイントのチャンスを逃した。
事前の予想では2ストッパーが主流と見られたが、蓋を開けてみればトラックポジション重視で1ストップを狙うチームが多く、ソフトスタートのアルファタウリ勢は戦略的にポジションを大きく失った。
3位アロンソと並びエステバン・オコンが5位と揃って上位フィニッシュした事で、アルピーヌがファエンツァのチームを引き離してコンストラクターズ選手権で単独5位に浮上した。
6位はランス・ストロール(アストンマーチン)、7位はカルロス・サインツ(フェラーリ)、8位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)と、終わってみれば中団チームの上位には1ストッパー勢がズラリと並んだ。
2ストップ戦略を採りながらもミッドフィルダーで唯一入賞したのは9位のランド・ノリス(マクラーレン)のみで、入賞最後の一枠、10位にはセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)が滑り込んだ。
レース概要
前日20日(土)に開催された予選ではフェルスタッペンが2番手、ボッタスが3番手に並んだが、Q3最終盤に振られたイエローフラッグを無視したとして各々7番グリッドと6番グリッドに降格となった。
第20戦の舞台、ロサイル・インターナショナル・サーキットは、首都ドーハから北へ約35kmの場所に位置するレースコースで、ロードレース世界選手権(MotoGP)のレース開催のために2004年に建設された。今回始めてF1グランプリが開催された。
過去のデータがない事などから、公式タイヤサプライヤーのピレリは最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入した。レースではミディアムとハードを使った1ストッパーが主流となった。
タイヤ選択の自由がある11番手以降としてはペレス、ストロール、ルクレール、ダニエル・リカルド、ニキータ・マゼピンがミディアムを、他はソフトを履いた。
決勝は日本時間21日(日)23時にブラックアウトを迎え、1周5,380mのコースを57周する事で争われた。現地ドーハは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温26.3℃、路面31.1℃、湿度75.4%のドライコンディションで開始された。
オープニングラップでは奇数列勢が良い蹴り出しを見せた。フェルスタッペンは一気に4番手にまで浮上。その後、アロンソの防御に過剰反応して安牌を切り、片輪をグラベルに落とす場面があったが勢い止まらず、5周目に2番手にカムバックした。
逆にボッタスは5つ、ベッテルは7つ、ポジションを落とした。
ペースが落ちてきた角田裕毅は全20台の中で最も早い10周目にミディアムタイヤに交換。チームメイトのガスリーもタイヤが早々にタレたようでペースが上がらず、6番手を走行していた14周目にミディアムに履き替えた。この時点で敗北が決する事となった。
上位勢としては左フロントタイヤに音を上げたフェルスタッペンが18周目にハードタイヤに交換。ポジションそのまま2番手でコースに復帰すると、翌周にメルセデス陣営が反応し、ハミルトンをピットに入れて同じくハードタイヤに履き替えさせた。
当初からの懸念通り、やはりロサイルはタイヤに厳しく、レース中盤以降はトラブルが相次いだ。
まずは34周目、1ストップ狙いで3番手を走行していたボッタスが左フロントのパンクに見舞われコースオフ。なんとか自走でピットへと戻り、フロントウイングと合わせてミディアムタイヤに履き替えコースに戻ったものの、破裂したタイヤによるクルマへのダメージが大きく、48周目にリタイヤした。
すると最終盤にはウィリアムズのジョージ・ラッセルが同じく左フロントを破損。車体の底を引きずって火花を散らしながらガレージへと戻っていった。
その翌周にはチームメイトのニコラス・ラティフィが同じく左フロントを壊した。運が悪いことにピット入口を過ぎた所でトラブルに見舞われた。5kmにも及ぶガレージまでの長い旅路には耐えきれず、ターン6のランオフエリアに停車した。
レースコントロールはこれを受け、車両回収のために残り3周というタイミングでバーチャル・セーフティーカー(VSC)を導入した。
ハミルトンに為す術もないフェルスタッペンは、自身が持つファステストラップをより確実なものとするために再びソフトタイヤに履き替えた。ファイナルラップでレースが再開されると1分23秒196を刻んでボーナスの1点をもぎ取った。
2021年F1第20戦カタールGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 57 | 1:24:28.471 | 25 |
2 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 57 | +25.743s | 19 |
3 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 57 | +59.457s | 15 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 57 | +62.306s | 12 |
5 | 31 | オコン | アルピーヌ | 57 | +80.570s | 10 |
6 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 57 | +81.274s | 8 |
7 | 55 | サインツ | フェラーリ | 57 | +81.911s | 6 |
8 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 57 | +83.126s | 4 |
9 | 4 | ノリス | マクラーレン | 56 | +1 lap | 2 |
10 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 56 | +1 lap | 1 |
11 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 56 | +1 lap | 0 |
12 | 3 | リカルド | マクラーレン | 56 | +1 lap | 0 |
13 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 56 | +1 lap | 0 |
14 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 56 | +1 lap | 0 |
15 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 56 | +1 lap | 0 |
16 | 47 | シューマッハ | ハース | 56 | +1 lap | 0 |
17 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 55 | +2 laps | 0 |
18 | 9 | マゼピン | ハース | 55 | +2 laps | 0 |
NC | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 50 | DNF | 0 |
NC | 77 | ボッタス | メルセデス | 48 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 26.3℃ |
路面温度 | 31.1℃ |
周回数 | 57 |
セッション概要
グランプリ名 | F1カタールGP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | ロサイル・インターナショナル・サーキット |
---|---|
設立 | 2004年 |
全長 | 5419m |
コーナー数 | 16 |
周回方向 | 時計回り |