ピレリ、ブリヂストンを破り2027年までF1タイヤサプライヤーを継続

ピレリのF1専用タイヤ「P-Zero-Red」のサイドウォール詳細画像Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1と国際自動車連盟(FIA)は2023年10月10日、次期F1タイヤサプライヤーとしてイタリア・ミラノに本社を構えるピレリと契約した事を明らかにした。これによりピレリは少なくとも2027年まで、F1とFIA-F2選手権、FIA-F3選手権への単独供給を継続する。

FIAは今年初め、4輪最高峰クラスの独占タイヤサプライヤー契約の入札を開始。ブリヂストンは2010年以来となるF1復帰を目指していたとみられるが、既報の通り現行サプライヤーのピレリとの契約が世界モータースポーツ評議会(WMSC)によって批准された。

FIAとフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)には2028年までの1年の延長オプションがある。ただしピレリは2027年末を以て撤退する可能性を伝えており、F1のステファノ・ドメニカリCEOは現在、ブリヂストンとの間で2028年以降の契約の可能性について話し合っているとされる。

ピレリのマルコ・トロンケッティ・プロヴェーラ執行副社長は、F1は「新しい技術的ソリューションを試し、テストするだけでなく、タイヤ製造における新しい研究、開発、生産プロセスを加速させるための究極の野外実験室」であるとして、「少なくとも2027年までモータースポーツの頂点に立ち続けることは、我が社に更なる重要な価値をもたらす事になる」と語った。

ピレリについてFIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、「F1マシンの過酷な要求に応えるタイヤの製造に多大なコミットメントを示してきた」として、「F1だけでなく様々な選手権やカテゴリーでモータースポーツを支え続けてくれている彼らに感謝したい」と語った。

ピレリは2024年より、FIA-F1世界選手権イベントで使用されるすべてのタイヤに関してFSC認証を取得する。これは持続可能な森林の活用と保全を目的とした国際的な制度で、F1タイヤのサプライチェーンの信頼性が保証される事になる。

ドメニカリは「FSC認証によって証明された持続可能性に関連するピレリの取り組みは、我々が共有する2030年ネットゼロの目標に向けて協力し続けることを保証するものだ」と語った。

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