セルジオ・ペレス、レッドブルの競争力に対するライバルの見解に異議…RB20での初走行を経て/ F1テスト2024《2日目》

ガレージに立つセルジオ・ペレス(レッドブル)、2024年2月22日F1プレシーズンテスト2日目Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1プレシーズンテストの2日目、自身今季初の公式テストセッションを終えたセルジオ・ペレスは、レッドブルRB20にはパドックで言われているほどの支配的な競争力はないとの考えを示した。

初日のテストを単独で担当したマックス・フェルスタッペンは後続に1.140秒もの差をつけ最速を飾ったが、2日目に初めて公式セッションに参加してRB20のステアリングを握ったペレスは、フェラーリSF-24を駆るカルロス・サインツに0.758秒遅れの2番手に留まった。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

サイドポッドのアンダーカットにフロービズを塗ったレッドブルRB20をドライブするセルジオ・ペレス、2024年2月22日F1プレシーズンテスト2日目

ただしサインツの自己ベストはC4コンパウンドで記録されたものであり、対するペレスのファステスト・ラップはそれよりも一段硬いC3コンパウンドでマークされたものだった。

そんな2日目のセッションを経てマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は「昨年の段階で既に最速」であったクルマが更に「大きな一歩を踏み出した」と述べ、RB20に対する警戒感を口にし、シャルル・ルクレール(フェラーリ)は「今のところの僕の感触としては、レッドブルが引き続きリファレンスであり、前にいるって感じだ」と語った。

今季のタイトル候補はレッドブルとの「根強い見方」がライバルチームの間で広がっている事についてどう思うか?と問われたペレスは、RB20での初の本格走行を経て「僕らが考えているよりも遥かに接近していると僕は思う」と語った。

「現段階で僕らは基本的に自分たちの仕事に集中していて、プログラムに追われている状態だし、ライバルの事はあまり見ていないと思う。明日になれば、もう少し考えがまとまると思うけど、来週末の日曜(バーレーンGPの決勝日)になれば分かるはずだ」

ペレスはRB20への過度な期待を牽制しつつも、「全体として言えば、クルマは間違いなく正しい方向に向かって一歩前進している」とも語った。

「午前から午後にかけてセットアップを煮詰め、コンパウンドに対する理解を深めていく上で、このサーキットは間違いなく厄介だ。ガレージから出ていくたびにコースは殆ど毎回変わるから、あらゆる面で自分のフィーリングに従わなきゃならない」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

モニターを見つめるレッドブルのセルジオ・ペレスとテクニカル・ディレクターのピエール・ワシェ、2024年2月22日F1プレシーズンテスト2日目

エイドリアン・ニューウェイとピエール・ワシェ率いるミルトンキーンズの技術チームはRB20の開発において、シーズン全勝に後一つと迫った先代RB19のコンセプトを大幅に修正し、メルセデスが過去2シーズンに採用しながらも「誤り」だったとして捨て去ったものに類似するコンセプトを導入した。

初めてRB20を目にした時に驚いたり心配したりしたか?と問われたペレスは「そうだね、僕らの去年のクルマは明らかに優れていたし、僕らは誰もがみな、同じようなコンセプトを継続するものと予想していたけど、レッドブルはいつも僕らを驚かせるんだ。ファクトリーのみんなは本当に勇敢で、素晴らしい仕事をした」と答えた。

レッドブルは当初、午後の作業をフェルスタッペンに引き継ぐ予定であったが、赤旗により午前のセッションが早期打ち切りとなった事を受け計画を変更。これによりペレスは1日中、RB20のコックピットに座る事になった。

計画変更の理由についてレースエンジニアリング部門を率いるジャンピエロ・ランビアーゼは「今朝の赤旗のせいで我々は、昼食後に予定していたドライバー交代の計画を変更することになった。そうしなければRB20に対するチェコの初期の印象が不当に制限されることになってしまうからだ」と説明した。

2日目のセッション開始早々、ブレーキのオーバーヒートによりペレスは走行時間をロスした。ガレージにはフロントブレーキから炎が上がるRB20の姿があったが、これも”攻めの姿勢”の表れなのかもしれない。

報道によるとレッドブルは、これまで使用してきたフランスのカーボン・インダストリー製に代えてイタリアのブレンボ製ディスクをテストしているという。

バーレーンテストの最終3日目は23日(金)日本時間16時より、1時間のランチブレイクを挟んで25時までの8時間に渡って行われる。セッションはDAZNフジテレビNEXTが完全ライブ配信・生中継する。

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了