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ランド・ノリス(マクラーレン)は2024年のF1ハンガリーGPで、同国の老舗磁器メーカー「ヘレンド」の職人が8ヶ月を掛けて作り上げた細密な文様の描写が印象的なスペシャルヘルメットを着用する。
昨年のハンガリーGPで2位フィニッシュしたノリスはシャンパンシャワーの際に、優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のトロフィーを表彰台から誤って落としてしまった。
30名の職人が約半年がかりで制作した4万ユーロ相当の磁器製トロフィーは台座が取れるなど破損。ヘレンドは再制作を余儀なくされた。
ノリスは当初、冗談を飛ばすなどしてこの件を軽く受け流していたものの、「ネタにするべきじゃなかった」「もし彼(フェルスタッペン)が僕のトロフィーに同じことをしたら、腹が立ったと思うし、あれを作るために時間と労力を費やした人たちにも謝りたい」と述べ、後にフェルスタッペンおよびヘレンドに謝罪した。
一件を経てノリスは昨年末、2024年のハンガリーGPで着用するレーシングヘルメットのデザインをヘレンドに依頼した。
ヘレンドはこれに応じ、数ヶ月に渡るデザイン作業と協議を経て、15~17世紀のトランシルバニア地方の刺繍にインスピレーションを得た装飾文様を作り上げ、これに鳥、蝶、蜂のモチーフ、そしてノリスのイニシャルである「LN」のロゴを組み合わせた。
ヘレンドの工房にある800以上の色の中から選ばれたのはターコイズブルーで、職人が水性アクリル絵具を使って丁寧に描き上げた。ノリスは7月17日(水)にヘレンドの工房を訪問し、職人技を見学した。
ハンガリーGPの主催者は今年もヘレンドにトロフィーのデザインと制作を依頼。約6ヶ月間をかけて作られた唯一無二のトロフィーは今年もハンガリーのトップ3フィニッシャーに贈呈される。
3年前のハンガリーGPでキャリア唯一にして初優勝を飾ったエステバン・オコン(アルピーヌ)は、自身の優勝トロフィーを模したスペシャルヘルメットを持ち込む。