ニック・デ・フリース、融資を巡って裁判沙汰…F1デビューを目前に控え訴えられる
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アルファタウリから2023年シーズンのF1にデビューする事が決まっているニック・デ・フリースが不動産億万長者のイェルーン・スコートーストから訴えられた。「De Telegraaf」などオランダの複数のメディアが伝えた。
報道によると、2018年に締結された融資契約の合意事項をデ・フリースが守らなかったとしてスコートーストは、28歳のオランダ人F1ドライバーの最近の収入や契約に関する情報の開示を要求した。
デ・フリースは2018年、FIA-F2選手権参戦のためにプレマ・パワー・チームに50万ユーロの支払いが必要となり、父親の知人であるスコートーストが所有する投資会社「インベストランド」から25万ユーロの融資を受けた。
契約には年3%の利息と、F1関連の活動から得られる収入の50%の支払い、そして定期的な状況報告の義務が明示され、デ・フリースはこれまでに合計19万ユーロをスコートーストに返済した。
契約ではまた、2022年末までにF1ドライバーとなっていない場合は返済が免除される取り決めとなっていた。
その後デ・フリースはFIA-F2選手権とフォーミュラ選手権を制覇するなど頭角を表し、メルセデスF1チームのテスト兼リザーブドライバーとして活動。昨年9月のF1イタリアGPでウィリアムズからF1デビューすると9位フィニッシュを飾り、アルファタウリと2023年の契約を結んだ。
アルファタウリとのF1契約は2023年1月1日より有効であったため、デ・フリースは契約に則り返済免除を期待していた。だた、貸主はそうは考えていない。
スコートーストは17日(火)、デ・フリースが融資期間中の収入や契約に関する必要な情報を提供しなかったと法廷で主張した。
2022年中にデ・フリースがF1ドライバーとしての立場を確立させたため、2023年にアルファタウリから支払われる年俸の半分を受け取る権利があると考えているようだ。
蘭「Het Financieele Dagblad」によると2018年の融資契約は、2022年末までに「F1ドライバーとして長期的かつ成功するための基礎を築くこと」を目的としたもので、アルファタウリやカスタマーチームへのレンタルがあった2022年のメルセデスとの契約内容が争点となりそうだ。
デ・フリースはスコートーストの主張を否定しており、合意に基づき必要な全ての情報を開示したとしている。またデ・フリースの弁護士を務めるイェルーン・ベドーによれば、既に送金済みの19万ユーロに加え、25万ユーロのローンを返済する旨の提案を行ったが、スコートーストはこれを拒否した。
ベドーは更に、デ・フリースがスコートーストからのF1マネジャー就任の申し出を断ったことも訴訟の一因だと仄めかしている。
アムステルダムの裁判所はバーレーン・インターナショナル・サーキットでのプレシーズンテストが始まる前の2月上旬に判決を下す見通しだ。