サインツ 圧倒の今季2勝、角田は1周目に衝突…ノリスとの攻防でフェルスタッペン20秒ペナ / F1メキシコGP 2024《決勝》結果と詳報

スタート直後のターン1でカルロス・サインツ(フェラーリ)からリードを奪うマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とクラッシュする角田裕毅(RBフォーミュラ1)、2024年10月27日F1メキシコGP決勝レース(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

2024年FIA-F1世界選手権、第20戦メキシコGPの決勝レースが、現地10月27日にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われ、カルロス・サインツ(フェラーリ)が3月のオーストラリア以来、今季2度目の勝利を今季初のポール・トゥ・ウインで飾った。角田裕毅(RB)はリタイヤに終わった。

シャルル・ルクレールは残り9周まで2番手を走行し、フェラーリがアメリカに続く2戦連続の1-2を果たすかに思われたが、ランド・ノリス(マクラーレン)に1秒以内を許すと、最終コーナーの立ち上がりでコントロールを失ってコース外に飛び出し、3位でフィニッシュした。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)は左フロントウイングが破損するアクシデントに見舞われるも、終盤20周近くに渡ってチームメイトから4番手を防衛。残り6周のターン1でルイス・ハミルトンに追い抜きを許し、5位でフィニッシュした。

レースは1周目からセーフティーカー(SC)が導入される波乱となった。

ターン1へのブレーキングを前にピエール・ガスリー(アルピーヌ)がアウト側に寄ったため、接触を避けるべくアレックス・アルボン(ウィリアムズ)が進路を僅かに調整。最もアウト側にいた角田裕毅がレイトブレーキングで前に出る際、右リアがアルボンの左フロントと接触した。

接触した2台はリタイヤした。角田裕毅、アルボン、そしてウィリアムズのジェームズ・ヴァウルズ代表は口を揃えて、不運なレーシングアクシデントだったとの見解を示した。

選手権リーダーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は一時、ラップをリードするも、ノリスに対するドライビングが問題視されて合計20秒ものペナルティを受け、6位に終わった。

フェルスタッペンは抜群の蹴り出しを以て、1周目のターン1でサインツを交わしたが、9周目のターン1でイン側に飛び込みを許して2番手に後退すると、10周目にノリスと激しいバトルを繰り広げた。

ノリスはターン4のアウト側から仕掛けるも、イン側のフェルスタッペンがコーナーを曲がり切れないほどのレイトブレーキングで防衛し、続くターン8でも同様の走りをしてノリス共々、コース外に飛び出た。漁夫の利でルクレールが2番手に浮上した。

ジョニー・ハーバートを含む4名のスチュワードは各々のインシデントについて、フェルスタッペンにそれぞれ10秒ペナルティを科す決定を下した。

地元の英雄セルジオ・ペレス(レッドブル)は、1周目に5つポジションを上げて13番手にまで大きく順位を上げたが、スタートの際に規定の位置を外れていたとして、5秒ペナルティを受けた。

19周目には、リアム・ローソン(RB)との攻防の最中にサイドポッドとフロアを損傷した。ローソンを追うペレスは、ターン4のイン側に飛び込みオーバーテイクを狙ったが、粘るローソンは続くターン5でペレスをコース外に追いやる格好でポジションを守った。

一件は調査の結果、お咎めなしとされたが、ペレスは、ローソンのドライビングと態度の両方がF1の水準に達していないとして強く非難し、「F1に参戦して間もないからこそ、もう少し謙虚であるべきだ」と主張した。

また、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコも、シニアチーム相手に過剰なドライビングであるとして苦言を呈した

ペレスとの接触のみならずローソンは、残り5周の最終盤にはフランコ・コラピント(ウィリアムズ)とも接触。フロントウイングが破損したことでピットインを余儀なくされ、16位でレースを終えた。

最終盤に向けては、フェラーリがフリーストップを利用してルクレールをピットに入れると、レッドブルもペレスにソフトタイヤを履かせたが手負いのマシンゆえ、ルクレールが最終周に更新したファステスト・ラップを覆すには至らず、最下位17位で母国レースを終えた。

ハースはケビン・マグヌッセンが7位、ニコ・ヒュルケンベルグが9位でフィニッシュし、小松礼雄代表が目標に掲げていたダブル入賞を果たした。

自身の「酷いミス」により予選Q1敗退を喫したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、ミディアムスタート勢の中で誰よりも長くスティントを引っ張り、39周目にピットストップを消化。見事な追い上げを見せ、ハース勢の間に割って入る8位でフィニッシュした。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は入賞圏内最後の一枠、10位でポイントを持ち帰ったが、3基目のCE(コントロール・エレクトロニクス)及びES(バッテリー)の交換でピットレーンスタートとなったエステバン・オコンは13位に終わった。

前人未到の通算400戦目を迎えたフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)は、1周目のクラッシュにより飛散したデブリがダクトに混入し、ブレーキがオーバーヒートしたため、16周目にクルマをガレージに入れてリタイヤした。

決勝は日本時間27日(日)29時にブラックアウトを迎え、1周4,304mのコースを71周する事で争われた。現地メキシコシティは晴れ、フォーメーションラップは気温20℃、路面38℃のドライコンディションで開始された。終盤に向けては周辺地域に小雨が降ったが、最後までドライレースが続いた。

公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを投入。例年通り、1ストップ戦略が主流となった。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1メキシコGPのドライバー別タイヤ戦略表、2024年10月27日エルマノス・ロドリゲス・サーキット

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1メキシコGP決勝レース中の気温及び路面温度の変化グラフ、2024年10月27日エルマノス・ロドリゲス・サーキット

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2024年F1メキシコGP決勝レースのコンパウンド別最多ラップと最速ラップ、2024年10月27日エルマノス・ロドリゲス・サーキット

トップ11を含むグリッドの殆どのドライバーがスタートタイヤにミディアムを選択。ハードをチョイスしたローソン(12番手)、バルテリ・ボッタス(15番手)、コラピント(16番手)、ペレス(18番手)、周冠宇(19番手)、オコン(ピット)はいずれも入賞圏外に終わった。

2024年F1第20戦メキシコGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 55 カルロス・サインツ フェラーリ 71 1:40:55.800 25
2 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 71 +4.705s 18
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 71 +34.387s 16
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 71 +44.780s 12
5 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 71 +48.536s 10
6 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 71 +59.558s 8
7 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 71 +63.642s 6
8 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 71 +64.928s 4
9 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 70 +1 lap 2
10 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 70 +1 lap 1
11 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 70 +1 lap 0
12 43 フランコ・コラピント ウィリアムズ・メルセデス 70 +1 lap 0
13 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 70 +1 lap 0
14 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 70 +1 lap 0
15 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 70 +1 lap 0
16 30 リアム・ローソン RB ホンダRBPT 70 +1 lap 0
17 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 70 +1 lap 0
NC 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 15 DNF 0
NC 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 0 DNF 0
NC 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 0 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温20℃
路面温度38℃
周回数71

セッション概要

グランプリ名 F1メキシコGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 エルマノス・ロドリゲス・サーキット
設立 1962年
全長 4304m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1メキシコGP特集

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