F1カナダGP投入のメルセデス新型エンジン、信頼性を損なわずに1020馬力以上を達成か…
Published:
F1第7戦カナダGPで投入される見通しのメルセデスAMGの新しいエンジンアップグレードは、信頼性を損なうことなく1020馬力以上のパワーをW10にもたらすと噂されている。
公式にはまだ発表されていないものの、シルバーアローが今季2世代目の新しいエンジンをジル・ビルヌーブに投入する事はほぼ疑いない。レギュレーションによって年間3基までの交換に制限されて以降、エンジンパワーが重要視されるストップアンドゴーのモントリオールは、新型エンジンのお披露目の場となっており、モナコで今季4勝目を挙げたルイス・ハミルトンが、アップグレードの計画がある事を仄めかしている。
今季はメルセデス以外のホンダ、フェラーリ、ルノーの全マニュファクチャラーがカナダを待たずにスペック2を投入しているため、”満を持して”という表現がピタリと来るが、それはタイミングの話に留まらず、性能面に関しても同じことが言えるのかもしれない。
2013年までF1の心臓部に据えられていた2.4リッターV8自然吸気エンジンの熱効率が29%程度であった一方、メルセデスの1.6リッターV6ハイブリッド・パワーユニットは既に50%を超えているとされ、史上最も効率的なエンジンと称される。その最強エンジンが更に強力なパワーを手に入れれば、チャンピオンシップがメルセデスドライバーのいずれかの手に落ちる可能性が更に高まる事になる。
ハイブリッド時代を席巻してきた王者メルセデスは、今季負け無しの6勝を達成。バルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトンがトップ争いを繰り広げ、コンストラクターズ2位のフェラーリに対してダブルポイント近い差を築き、過去最高のパフォーマンスを示している。
マラネロも開発の手を緩めずにメルセデスへのキャッチアップを目指しているが、ネックとなっている低速コーナーでのパフォーマンス改善はフランスGPまで待つ必要がある。マシン前方のダウンフォースを強化するために、新たなフロントウイングがポール・リカールに持ち込まれる見通しだが、期待されていた改良型フロントサスペンションは、車全体のコンセプトと設計に大きな影響を与えるため、現行の保守的なタイプがシーズン最終戦まで継続されるようだ。