悩めるメルセデス、ハミルトンのPU交換ペナ消化を検討…F1トルコGPで4基目投入の可能性

ソチ・オートドロームでメルセデスW12をドライブするルイス・ハミルトン、2021年F1ロシアGPにてCourtesy Of Daimler AG

メルセデスのトト・ウォルフ代表は、次戦トルコGPで4基目のエンジンを開封し、ルイス・ハミルトンがグリッド降格ペナルティを受け最後尾スタートとなる可能性がある事を認めた。

ハミルトンはサマーブレイク明けの初戦ベルギーGPで、年間上限基数となる3基目の主要パワーユニット(PU)コンポーネントに切り替えた。既に1基は再使用不可能であるため、残り7戦をマイレージが溜まった古い個体を含む計2基で回さなければならない。

だが今季のメルセデス製PUは信頼性に問題を抱えており、ハミルトンのチームメイトであるバルテリ・ボッタスは既に5基目に手を付け、モンツァとソチでグリッド降格ペナルティを受けている。

トト・ウォルフはSky Sportsとのインタビューの中で「信頼性の問題でリタイアしないことが最も重要」との認識を示した上で、「いつ、どのように、というのはまだ決まっていない」としながらも、次戦イスタンブール・パーク・サーキットでの週末に4基目を投入する「可能性はある」と語った。

「2位でも3位でもフィニッシュできればそれで良いが、チャンピオンシップの先はまだ長い。もしフィニッシュできなければ…だからこそ我々は信頼性に悩まされる事がないように、エンジンのパラメータを調べているのだ」

最も避けるべき事態はレース中のエンジントラブルだ。この場合ポイントを失うだけでなく、結局、翌戦で降格ペナルティを受ける事になる。つまり先手を打ってエンジン交換を行った方がダメージは遥かに小さい。

イスタンブールはメルセデスがレッドブル・ホンダに対して優位性を発揮できる可能性があるコースであり、原則的にはペナルティを回避すべきイベントだ。よって実際に交換が行われるか否かは、現在ブリックスワースで行われている調査・分析次第と言える。

理想的にはレッドブル・ホンダのアドバンテージが予想される高地メキシコでの投入だが、それまでハミルトンの3基目が持ちこたえるかどうかは分からない。

タイトル争いのライバルであるマックス・フェルスタッペンに対するリードは僅か2点しかなく、エンジントラブルによるリタイアはチャンピオンシップ争いを決定づける可能性があるだけに、メルセデスは非常に難しい判断を迫られている。

なおフェルスタッペンは前戦ロシアGPで4基目投入によるグリッド降格ペナルティを受け、最後尾から2位表彰台を獲得。ダメージを最小限に抑えている。

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