セバスチャン・ベッテルに是が非でも「アストンマーティン!」と言わせたいF1プレスカンファレンス

マスクを着用してレッドブル・リンクを歩くスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル、2020年F1オーストリアGPにてcopyright Ferrari S.p.A.

F1ハンガリーGPの木曜プレスカンファレンスの主役はセバスチャン・ベッテルだった。特に何もなければシュタイアーマルクGPでの同士討ちの話と、アップデートを投じたにも関わらず遅いSF1000についての質問で時間切れになったののだろうが、質問の大部分は当然レーシングポイントへの移籍話に集中した。その中には、何としてもベッテルに「アストンマーティン!」と言わせたいメディアの熱意?に溢れたものもあった。

一通りの質問が終わった会見の後半、レーシングポイントとの交渉(本人は”緩い話し合い”と呼ぶが)を報じた独Bild紙の記者から投げかけられた質問は「ジェームズ・ボンド映画に出てくるお気に入りの車は何?」というユーモラスに溢れるものだった。

人気スパイ映画「007」シリーズでは、1964年の第3作「ゴールドフィンガー」に初めてボンドカーとしてアストンマーティンが登場。その後はフォード・マスタング・マッハ1やロータス・エスプリ、メルセデス250SEなど様々なクルマが登場してきたものの、2002年公開の「ダイ・アナザー・デイ」以降はアストンマーティンがガッツリ食い込んでおり、「007」イコール「アストンマーティン」のイメージが定着しつつある。

御存知の通り、シルバーストン本拠のレーシングポイントF1チームは来シーズンより「アストンマーティン」を名乗る。

並の新人ドライバーであればBildの思惑通りの答えを返してしまうかもしれないが、相手はキャリア14年を誇る4度のF1ワールドチャンピオンだ。メディア対応など朝飯前。マスクの下で笑みをこらえながら、しばらく考えた後に発したのは「半分に切断されたやつかな。どのクルマの事か分かる?」だった。

「誰もわからないの?何だっけ、”モーニング・ネバー・ダイ”じゃなくて…」周りにいた関係者から「”トゥモロー・ネバー・ダイ”!」「BMW Z8!」との声が飛んだ。

ベッテルは「いや、別に一番のお気に入りってわけじゃないんだけど凄くかっこいいクルマだよね。どうして覚えてるのか分からないけど、クルマじゃなくてボンドガールの方を覚えていたもかもね」と続ける。

「でもクルマが半分にされちゃった事は覚えてるし、それが実際に実車を真っ二つに切ったものだって知った時はショックだったよ」

実際には、BMW Z8が巨大な丸のこで半分に切断されてしまったシーンが登場するのは「トゥモロー・ネバー・ダイ」ではなく、1999年公開の「ワールド・イズ・ノット・イナフ」であり、映画の中で破壊された車は実車ではなく、コルベットのV8エンジンを搭載したモックアップであった。

「007」と言えば昨年のイギリスGPで、アストンマーティンがタイトルスポンサーを務めるレッドブル・ホンダのマシン「RB15」に007のロゴが掲載され、マックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーが、シリーズの6代目のジェームズ・ボンドを演じるダニエル・クレイグのディナージャケットにインスパイアされたレーシングスーツを着ていた事が記憶に新しい。

F1ハンガリーGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了