アロンソのル・マン参戦を快く思わないマクラーレンF1「最優先はフォーミュラ1」釘を刺す

契約延長会見に臨んだフェルナンド・アロンソとザクブラウンcopyright Mclaren

マクラーレンF1チームは、トヨタGAZOOレーシングとの合意を踏まえて、ル・マン24時間レースを含むフェルナンド・アロンソのWEC世界耐久選手権参戦を許可した。アロンソは、F1との開催日程がバッティングしないWEC全レースに参戦する。だが、マクラーレンCEOのザク・ブラウンは、自身が関与しない領域でアロンソがレースをする事を快くは思っていないようで、アロンソが優先すべきはあくまでもフォーミュラ1であり、WECではないと釘を刺す。

WECへの参戦告知とブラウン代表の声明を掲載したマクラーレンチームのリリースには、「アロンソの活躍を期待」「発表する事ができ嬉しく思う」等の、この手のリリースの中で一般的によく使われる好意的な記載は一切なく、「チームとフェルナンドは”フォーミュラ1が最優先課題”である事に完全合意している」と書き出しから始まっていた。

「フェルナンドはハングリー精神に溢れるワールドクラスのドライバーであり、組織の中の誰もが、彼はF1全体にとっての重要な資産であると認識している」とブラウン。マクラーレンのボスはリリース冒頭で、アロンソがモータースポーツ界全体の宝ではなく、あくまでもF1界の英雄である事を強調。続けて、F1最優先の考えを示した。

「昨年我々はフェルナンドと共に、F1モナコGPではなくインディ500に参戦する事を共同で決断した。だが、(他のシリーズへの参戦は)基本的にケースバイケースで検討するだろうと常々言ってきたし、我々もフェルナンドも、2018年の優先事項は(WECではなく)F1での成功だとの共通認識を持っている」

ブラウンの声明は全文に渡って、ある特定の第三者に向けての”釈明文”のような様相を呈していた。それは、以下の発言に色濃く映し出されている。

「WEC参戦によってフォーミュラ1でナンバーワンになるという我々の目標が損なわれることは決してない。適切に評価した結果、今回のキャンペーンがそれに該当せず、マクラーレンにとって最大の利益となる事を確認できた」

アロンソもまたブラウンの発言に応えるように、最優先事項はF1である事を強調。加えて、耐久レース参戦を許可したマクラーレンの”英断”を持ち上げた。

「今年、ルマン優勝を目指してレースができるのはマクラーレンのお陰だ。WECに参戦するという契約が叶ったのは、マクラーレンと僕との間の強固な関係と理解によるものだ。ルマン24時間レースへの参戦が僕にとってどのような意味を持つのかについて、マクラーレンが耳を傾け理解してくれた事を嬉しく思ってる」

「WECへの挑戦によって、F1でのマクラーレンと僕のメインターゲットが疎かになる事はない。2018年の僕の目標は、全てのF1グランプリで競争力を発揮することだし、その目標に近づいてきていると感じている」

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