マクラーレン、ボルトレートのアウディF1入りに前向き…ただし条件付き

マクラーレンの若手育成プログラムに所属するガブリエル・ボルトレート、2024年Courtesy Of McLaren

マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、アカデミードライバーのガブリエル・ボルトレートが、ニコ・ヒュルケンベルグのチームメイトとしてザウバー/アウディから2025年のF1に参戦することに前向きな姿勢を見せた。

昨年、FIA-F3選手権チャンピオンに輝いた19歳のブラジル人ドライバーは、先週末のバクーで、レッドブル育成傘下のアイザック・ハジャーからFIA-F2選手権リーダーの座を奪い取った。

ルーキーイヤーでの見事な活躍はF1チームの目にも留まっており、現時点で唯一のオープンシートを持つアウディが関心を寄せているが、ボルトレートはマクラーレンの契約に縛られている。

ステラは、才能に加えて努力を怠らず、「謙虚」さを以て急速に成長しているボルトレートがF1に参戦できるよう、アウディのF1プロジェクトを率いるマッティア・ビノットと話し合う用意があることを明かした。

仮に今年のF2チャンピオンに輝いた場合、ボルトレートは来年F2に参戦することができなくなるため、レース活動の場を失う可能性がある。オスカー・ピアストリとランド・ノリスは共にマクラーレンと長期の契約を結んでおり、シートが空くには少なくとも2027年を待たなければならない。

ステラは移籍にオープンだとする一方、ボルトレートの契約オプションを保持し、今後もマクラーレン・ファミリーの一員であることが条件だと仄めかした。

ウィリアムズも同様のスタンスを取っており、デビュー2戦目でポイント獲得を果たしたフランコ・コラピントをアウディに貸し出すことに意欲を示しているが、今後もチームの一員であることが条件だとしている。

コラピントもボルトレートも若手有力候補となり得る存在だが、アウディとしては当然、他チームにラインナップの主導権を握られることは避けたいはずだ。レンタルという形では、いずれを起用しても繋ぎにしかならず、ライバルチームの都合で突如、これを失う可能性がある。

ベテランのレンタル移籍であれば短期的な利益という観点で、幾らかの合理性を見出すこともできるだろうが、若手の価値は将来にこそあるのであって、その将来のオプションをライバルチームに委ねる利点は原則、見当たらない。

たとえ当初はレンタルという形を取るにせよ、何らかの条件次第で完全移籍が可能となるような条項等なくして、アウディがコラピントやボルトレートを起用するとは考えにくい。

この場合、来季F1残留は「ほぼ確実」だとしているバルテリ・ボッタスの契約延長の可能性が高まるものと思われるが、ステラはアウディとマクラーレン双方にとって最良の「解決策を見つけられるはずだ」としている。

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