より責任が重いのは「情けない」ノリスの方だ 、ヘルムート・マルコ失望…墺フェルスタッペン事故を巡り
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ヘルムート・マルコはこれまでランド・ノリス(マクラーレン)を一貫して高く評価してきたが、F1オーストリアGPでのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)との争いの最中に見せた態度は「情けなかった」として、「少し失望した」と漏らした。
キャリア2勝目の可能性を射程に入れながらも、残り8周での衝突事故により一転、リタイヤを余儀なくされたノリスの心中は察するに余りある。レースを経てノリスは、自分の方からフェルスタッペンに話しかけるつもりがないことを強調した。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーによると、事故を経てノリスとフェルスタッペンはいつものように一緒に飛行機に乗らず、別々の便で帰路についたという。
フェルスタッペンに「主な責任」があると結論付けたスチュワードの一人、3度のグランプリウィナーであるジョニー・ハーバートは、「ランドは正しいことをした。彼は動かなかった。動く必要はなかった。動くべきだと言う人もいたが、それはマックスに勝つ方法でも、グランプリに勝つ方法でもない」と評価したが、マルコはノリスの方が「責任が大きい」と考えている。
事故発生現場のターン3についてマルコは、インシデントが発生しやすい土壌があると指摘すると共に、低速での接触事故である事に加え、周囲に他車はおらず、ランオフエリアも広いことから「実際に危険があったわけではない」として、結果的にはノリスがリタイヤしたため叶うことはなかったものの、スチュワードとしてはレーシングアクシデントと見なし、コース上で勝負をつけさせるべきだったとの考えを示した。
スピードウィークに寄せたコラムの中でマルコは「マックスに科された10秒ペナルティは私には理解できない」と主張する。
「ターン3に向けては時速300km以上の速度でブレーキをかけることになる。ブレーキングゾーンは比較的バンピーで、かなりの傾斜がついており、レーシングカーを不安定にするあらゆる条件が揃っている」
「接触事故が起きたのは65周目のその場所だが、こうしたことは起こり得るし、私はむしろ複雑すぎるルールの中で退屈なレースが行われるよりはそれを好む。私は『戦わせるべき』というモットーの支持者だ」
またノリスについては、接触するまでフェルスタッペンと見事なレースを繰り広げていたとしつつも、事故に関してはノリスの方が「責任が大きい」として、事故に至るまでにターン3で「2度に渡って白線を越えたのは偶然ではない」と指摘した。
また、墺紙クライネ・ツァイトゥングに対しては、ノリスの経験不足が事故の要因だと思うか?との質問に対して「間違いない」と答え、「無線でのノリスの態度は情けなかった」とも語った。
今回の一件を経て、一部にはフェルスタッペンが以前のような問題児に戻ったとする見方があるが、マルコは「人々は、ノリスが決して大人しいドライバーではないことを忘れがちだ。スペインでのスタートで彼はフェルスタッペンを芝生に押しやったが、その時は騒ぎにも罰則にもならなかった」と主張した。
さらに、「ノリスが無線で『マックスがこれをした、マックスがあれをした』と泣き言を言うように文句を言い始めた」とも指摘し、「私はこれまでランド・ノリスを高く評価してきたが、争いの最中にそんな風に泣き言を言うなんて、少し失望した」とも綴った。