今のセバスチャン・ベッテルを見限るのは愚か者のする事だ、とマーク・ウェバー
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元F1ドライバーのマーク・ウェバーは2020年シーズンの開幕オーストラリアGPを直前に控え、限界説が囁かれているかつてのチームメイト、セバスチャン・ベッテルを見限るのは愚か者のする事だとの考えを示した。
ベッテルが4年連続でタイトルを獲得した2010年から2013年にかけて、ウェバーは彼と同じマシンを駆るチームメイトだった。レッドブルが強力なマシンを用意したことも手伝って2人は常に過度な緊張関係にあり、コースの内外を問わず幾度となく衝突を繰り返した。
4度目の王座を手にしたドイツ人ドライバーは、2015年シーズンを前にフェラーリに移籍。マラネッロでの5年目を迎えた昨年は優勝1回に留まり、あろうことかデビュー2年目の新人シャルル・ルクレールにドライバーズランキングで後塵を拝した。
フェラーリは現在、2021年以降のベッテルの立場について議論しているが、ウェバーはメルボルンの現地プロモーターとのインタビューの中で「明らかに、彼にはまだ多くの資質がある」と述べ、今年33歳を迎えるベッテルはまだトップチームで通用する十分な実力を備えていると主張した。
「彼を見限るって事は、自分がヤバいやつだと主張するようなものだ」
昨シーズンは幾度となく引退の憶測が流れるなどキャリアの中で困難な時期を過ごしたベッテルだが、ウェバーに言わせれば、それは彼のモチベーションを高めただけに過ぎないという。
「彼はキャリアをスタートさせたばかりのドライバーか? いや違う」とウェバー。
「彼は今、燃料タンクの中にまだガソリンが残っている事を証明し、自分自身の価値を認めさせなきゃならない厄介な状況にある。それはストップウォッチとリザルトでのみ可能だ」
「僕らや彼自身、そしてイタリアのチームに対して、彼がまだその仕事をやり遂げる能力があることを証明できるかどうかは彼次第だが、我々は昨年のレースで彼が何度か眩い輝きを見せたことを知っている」
ウェバーはフェラーリがベッテルとの契約を更新すべきだと考えているようだが、当のベッテルは「過去にはフェラーリを去って他のチームに移籍したドイツ人ドライバーもいた」と語り、他チームへの移籍の可能性を除外していない。
ベッテルは跳馬に移籍後、アルバート・パークでのレースで2017年と2018年に勝利を飾っている。新型コロナウイルスの影響が懸念される状況ではあるものの、今年の開幕戦で通算4度目の優勝を手にすることができれば、ベッテルは幼年期アイドル、ミハエル・シューマッハが持つ記録に並ぶ事になる。