ウォルフ:ラインナップへの影響と事故の要因、F1初走行アントネッリ「驚異的」なペース披露も52Gの大クラッシュ
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新星アンドレア・キミ・アントネッリのF1公式セッションデビューは、クラッシュにより僅か5周で幕を閉じる結末となった。メルセデスの2025年ドライバーラインナップに関わる決定への影響はあるのか?
18歳のイタリア人ドライバーは、モンツァのオープニングセッションでグランプリ週末デビューを果たしたが、パラボリカでクルマを制御できずにクラッシュし、ジョージ・ラッセルのクルマに大きな損害を与えた。その衝撃は52Gを記録した。
アントネッリはモンツァでの週末に、ルイス・ハミルトンの後任として来季フル参戦契約が発表される見通しとなっていたが、今回の事故による影響はあるのだろうか?
メルセデスのトト・ウォルフ代表は、この事故はアントネッリの将来に「全く影響しない」と述べ、事故に至るまでのフライングラップで示したパフォーマンスを強調した。
ウォルフは「最も重要なのは彼が無事だったことだ」と述べ、「何事もなく1時間のプラクティスを終えていれば、良いパフォーマンスが見られたはずだけに残念だが、我々の誰もが言っているように、彼はルーキーであり、まだすごく若い」と続けた。
「我々は現在進行形で彼の将来に投資し続けている。こういった瞬間は来年も起こり続けるだろう」
「たくさんの見せ場があった。我々としては、彼を速くするよりも、むしろ彼のスピードを抑えることが問題である方が好ましい。彼が1周半のラップで見せたのは驚異的なものだった」
アントネッリはコースインするや否や、1回目のクイックラップでタイムシートのトップに立ち、2回目のクイックラップで自己ベストを更新している最中にバリアに激突した。
クラッシュの後に行われたFIA-F2選手権予選で6番手を刻んだアントネッリは、事故により今も体調が万全ではないことを明かした。
「かなり慌ただしい1日だった。残念ながら僕にとっての初めてのFP1はクラッシュにより、かなり早く終わってしまった。52Gというかなり激しいクラッシュだった」とアントネッリは語った。
「体調が100%万全じゃないから、今夜はゆっくり休んで残りの週末に備えるつもりだ」
「チームとジョージには申し訳なく思っている。あれは純粋に僕のミスだった。コンディション的に許される以上にプッシュし過ぎてしまった。少しずつスピードを上げていくべきだったのに。これから学んで次に活かしたい」
ラッセルの来季チームメイト選びに今日のクラッシュが影響するかどうかについて問われたウォルフは「いや、全く影響しない。何より重要なのは能力だ。FP1でのトラブルは、ドライバーを採用するか否かの要因にはならない」と答えた。
「彼は謝罪した。クルマを、レゴの箱を床に落とした時のような姿にしてしまった時にはそうすべきだ。だが彼はクルマにかなりの自信を感じていたし、クルマの状態は良かったとも言っていた。彼は単に痛い目にあっただけだ」
「誰もが高い路面温度に手を焼いていた。特にアスカリでは、この手のスピードで走るとリアの温度が上昇する。これがリアが滑った理由だ」