セルジオ・ペレス、来季アストンマーティンF1のシートを確保?スポンサーがベッテル獲得阻止に動いた?

レーシングポイントのセルジオ・ペレス、2020年F1スペインGP決勝当日copyright Racing Point

支払金額を上乗せする事によって、セルジオ・ペレスのスポンサーが2021年シーズンのアストンマーティンのシートを確保すべく動いている。Speedweekによると、パドックではそういった噂が流れているようだ。

セバスチャン・ベッテルとフェラーリとの契約が今季末で満了を迎えるとの電撃発表以降、4度のF1ワールドチャンピオンにはオトマー・サフナウアー率いる英国シルバーストン本拠のチームとの噂が絶えない。

来季よりアストンマーティンを名乗る現レーシングポイントは、2019年8月にセルジオ・ペレスとの2022年末まで3年契約を発表。公式発表といった形のアナウンスはないものの、ランス・ストロールに関しても、サウナウアー代表が2021年の契約を認める胸の発言をしている。

だが世の中のほぼ全ての契約書には、条件を満たせば解消できる”解除条項”なる項目が設けられている。F1において「契約」という言葉は、音の響き以外に何らの意味も持たないかのような印象がつきまとう。「僕には契約がある」と口にしていたドライバーが、一体これまでにどれだけシートを失ったかを思い起こせば、ペレスあるいはストロールが放り出されるシーンをイメージするのは決して難しくはない。

とは言え、レーシングポイントはストロールの父ローレンスが所有するレーシングチームだ。ランスに関してはシート喪失などありそうにないが、当人は自分の将来に100%の自信を持ってはいないようで、Channel 4とのインタビューの中で、解雇されたらどう思うかを問われると「父との間には家族関係と雇用関係の2つがある。もし僕を解雇するのだとすれば、それはビジネス上の判断だ。恨んだりはしない。そういう事もある」と答えている。

実際、ペレスの首を切ってベッテルを雇い入れるコストを考えれば、他チームのシートを購入して、そこに息子を乗せるというのが最も合理的とも考えられるため、ランスが放出される可能性は決してゼロではないだろうが、息子に対するこれまでの支援を考えるとピンとはこない。

一方のペレスはというと、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染する前の7月の時点で、ストロールの親子関係に触れて「出ていかなきゃならないとすれば、それが誰かは明らかだ。僕も父親だ。自分の息子を追い出すようなことはしない」と、自分の将来を悲観していた。

ところが、シルバーストンでの2連戦の欠場の後に、体内のウイルスを一掃して訪れたバルセロナでペレスは、どういうわけか健康だけでなく自信をも取り戻していた。

「セバスチャンの噂の件について僕ができることは何もない。チームからは僕ら全員で継続していきたいと聞いている。だから噂が消え去るのは時間の問題だと思っている」「チーム内での僕のポジションはかなり安全にみえる」とペレスは語った。

ただその一方で伊紙La Gazzetta dello Sportは、ベッテルがレーシングポイントから年俸1,500万ドル(約16億円)の契約を提示され、8月末に契約を結ぶとも伝えている。ベルギーGPの週末にベッテル移籍を発表との憶測も出ており、ペレスが追いやられるにしろ、ランスが追い出されるにしろ、二人共が何事もなかったかのように来季もステアリングを握るにしろ、状況がクリアになるのはそう遠くはないように見える。

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