インディカー第14戦ポートランド《予選》:パロウ、初PPで首位奪還へ!琢磨は”不運”のぶっつけ本番で最後尾「全くの手探りで…」
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2021インディカー・シリーズ第14戦ポートランドの公式予選がオレゴン州現地9月12日(土)にポートランド・インターナショナル・レースウェイで行われ、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が58.7701秒のトップラップを記録。キャリア初のポールポジションを獲得した。
2番手にはアレキサンダー・ロッシ(アンドレッティ)、3番手にはチームメイトのスコット・ディクソンが続く結果となった。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨はトラブルの影響で走行が限られ24番手と後方に沈み、エンジン交換ペナルティで6グリッド降格が科された。
24歳のスペイン人ドライバーは、5月上旬にテキサス・モーター・スピードウェイで開催されたGenesys 300をポールポジションからスタートしているが、これは悪天候で予選が中止となったためにエントラントポイントによってグリッドが決定したものだった。
チャンピオンシップ首位を走るパトリシオ・オワード(マクラーレンSP)と10ポイント差で週末に臨んだパロウは、ポールポジションの獲得で貴重な1点を加算。残り3レースでの首位奪回に向けて勢いをつけた。
なおオワードは、予選Q2の最終ラップでチームメイトのフェリックス・ローゼンクビストに0.0103秒差で蹴落とされ7番手となった。
「インディカーで初めてポールを獲得できて本当に嬉しい」とパロウ。「明日は最高のポジションからのスタートだし、クルマは本当に速く仕上がっているから明日のレースが待ち遠しいよ」
パロウはインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)のロード戦ではエンジントラブルに見舞われリタイヤ、ゲートウェイでの前戦ではリーナス・ヴィーケイに衝突されリタイヤと、過去2戦に渡って散々なレースを強いられてきた。
「過去2回の週末では、自分たちの力ではどうにもならない事が起きてしまった。だからこそ、これからの3レースに集中してチャンピオンを獲りたい」
佐藤琢磨にとっては不遇の1日となった。エンジン交換のために1度のみのプラクティスで僅か3周しか走れず、厳しい状況の中での予選を余儀なくされた。
「タフな一日でした。問題が発生してしまったようで新しいエンジンに交換しなければならず、予選前の唯一のプラクティス走行では一度も計測ラップを走れる事が出来ませんでした」と佐藤琢磨。
「ポートランドは非常に競争が激しくコンマ1秒が大きな違いを生むため、本当に難しい状況を強いられる事になりました」
「難易度の高い高速コーナーが多いコースでの予選に対して全くの手探りの状態で挑まなければならず、ベストを尽くしたのですが第1セグメントを通過することはできませんでした」
「ですが、トップとの差がコンマ2秒という僅差であった事は大きな励みになりました」
「クルマには競争力があるように思いますし、 決勝を前にもう1回プラクティスがあるので巻き返していくことは可能だと思いますし、できれば2018年のように最後尾から良いレースができればと思っています」
「エンジン交換ペナルティを受ける事にはなりますが、日曜日はとてもエキサイティングなレースになると思いますので全力を尽くします」
言葉通り佐藤琢磨は最終プラクティスで7番手タイムを刻んでみせた。グリッド降格により最後尾26番グリッドからのスタートとなるものの、2018年大会では20番グリッドからの大逆転優勝を果たしているだけに決勝レースでの挽回に期待したい。
チーム・ペンスキー勢にとっては壊滅的な予選となった。
2度のシリーズチャンピオン、ジョセフ・ニューガーデンは18番手と大きく沈み、ウィル・パワー、シモン・パジェノー、スコット・マクラフランの4名全員が予選Q1で敗退を喫した。
フンコス・レーシングでのデビュー戦を迎えるフェラーリF1育成傘下のカラム・アイロットは19番手という結果となった。
ポートランドの決勝レースは日本時間9月12日(日)28時よりGAORA SPORTSが生中継する。視聴には「スカパー!」の他、光回線を使った「ひかりTV」「auひかり」なら、面倒なアンテナ設置なしでインディカーを楽しむ事もできる。更に今季からはHulu ライブTVでもストリーミング配信される。
動画
2021年第14戦ポートランド予選結果
Pos. | Driver | Time / Gap | Session |
---|---|---|---|
1 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
58.7701 + 0.0000 |
Fast Six |
2 | アレキサンダー・ロッシ Andretti |
58.8573 + 0.0872 |
Fast Six |
3 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
58.8673 + 0.0972 |
Fast Six |
4 | フェリックス・ローゼンクビスト McLaren SP |
58.9505 + 0.1804 |
Fast Six |
5 | グレアム・レイホール RLL Racing |
59.0067 + 0.2366 |
Fast Six |
6 | コルトン・ハータ Andretti |
59.2796 + 0.5095 |
Fast Six |
7 | パトリシオ・オワード McLaren SP |
58.9732 + 0.2031 |
Round 2 |
8 | エド・ジョーンズ Dale Coyne |
59.0247 + 0.2546 |
Round 2 |
9 | オリバー・アスキュー RLL Racing |
59.0837 + 0.3136 |
Round 2 |
10 | マーカス・エリクソン Chip Ganassi |
59.0901 + 0.3200 |
Round 2 |
11 | マックス・チルトン Carlin |
59.2346 + 0.4645 |
Round 2 |
12 | セバスチャン・ブルデー A.J. Foyt |
59.2419 + 0.4718 |
Round 2 |
13 | ジェームズ・ヒンチクリフ Andretti |
59.2537 + 0.4836 |
Round 1-1 |
14 | ウィル・パワー Team Penske |
59.0032 + 0.2331 |
Round 1-2 |
15 | スコット・マクラフラン Team Penske |
59.3563 + 0.5862 |
Round 1-1 |
16 | コナー・デイリー Ed Carpenter |
59.0974 + 0.3273 |
Round 1-2 |
17 | エリオ・カストロネベス Meyer Shank |
59.4190 + 0.6489 |
Round 1-1 |
18 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
59.1371 + 0.3670 |
Round 1-2 |
19 | カラム・アイロット Juncos Racing |
59.5008 + 0.7307 |
Round 1-1 |
20 | ジャック・ハーベイ Meyer Shank |
59.1463 + 0.3762 |
Round 1-2 |
21 | ロマン・グロージャン Dale Coyne |
59.6344 + 0.8643 |
Round 1-1 |
22 | リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter |
59.1885 + 0.4184 |
Round 1-2 |
23 | ジミー・ジョンソン Chip Ganassi |
59.7120 + 0.9419 |
Round 1-1 |
24 | 佐藤琢磨 RLL Racing |
59.1953 + 0.4252 |
Round 1-2 |
25 | ライアン・ハンター=レイ Andretti |
No Time | Round 1-1 |
26 | シモン・パジェノー Team Penske |
59.6591 + 0.8890 |
Round 1-2 |
27 | ダルトン・ケレット A.J. Foyt |
59.7438 + 0.9737 |
Round 1-2 |