75%は非公道…市街地らしからぬ「IFEMAマドリード・サーキット」のレイアウト、2つのトンネルと印象的な180度超バンクカーブ
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2026年より首都マドリードで開催されるF1スペインGPの舞台は、マドリード=バラハス空港から5分の場所に位置するIFEMA(マドリード展示センター)周辺の半公道サーキットで行われる。
正式名称は不明だが、主催者のIFEMAは「IFEMAマドリード・サーキット」「ハイブリッド・サーキット」と呼んでいる。
設計を担当したのは、スパ・フランコルシャンやザントフォールト、ムジェロやセパンの改修や、アルガルベやポール・リカールの再舗装を手掛けたことで知られるイタリアのサーキット・コンサルタント会社、ドローモだ。24案の中から1案に絞り込まれた。
- 全長:5.47km
- コーナー数:20
- 周回方向:時計回り
- 最高速:300km/h超
- オーバーテイクポイント:4箇所
- 収容人数:11万人
- 予選ラップタイム:1分32秒4
- 平均速度:218km/h
昨年初開催を迎えたラスベガスやシンガポールなど、他のF1市街地コースは恒久部分と公道を組み合わせて作られている。マドリードも同様だが、他とは対照的に公道セクションは全体の僅か25%強に過ぎず、大部分が専用道で構成される。
そのためご覧の通り、マドリードのコースレイアウトは90度コーナーとストレートのコンビネーションが典型的な市街地コースのそれとは大きく異なる印象だ。
スタート/フィニッシュラインはIFEMA展示センター正面前に設けられる。スタート後にシケインを抜けると、時速300kmオーバーが見込まれる緩いロングカーブを経て、オーバーテイクポイントと見られるブレーキングゾーン(ターン5)が待ち構える。
そのすぐ先の「バルデベバス・トンネル」を抜けると、実に印象的な「バルデベバス・カーブ」(ターン10)が登場する。この180度超カーブにはバンクが設けられる計画で、コース全体の折返し地点となる。
バルデベバスはマドリードで今最もホットなエリアで、レアル・マドリードの練習場がある事でも知られる。この辺りは全て恒久セクションとして建設される。
最終90度コーナー区間の前には高速のS字と2つ目のトンネル「IFEMAマドリード・トンネル」がある。「トンネル」とは言え、いずれも高速道路の高架をくぐり抜ける形だ。
2024年のF1カレンダーに並ぶ市街地コースは計7つ。マドリードのカレンダー入りで2026年は8つとなる可能性があるが、レイアウト的にマドリードはストリート・サーキットっぽさを感じさせない。