2024年F1ハンガリーGPアプグレ一覧:目を引くレッドブルの原点回帰的エンジンカバー、ザウバーは抜本改定
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2024年のF1ハンガリーGPでは、マクラーレンやメルセデスの突き上げに遭う選手権リーダーのレッドブルを含む4チームが大掛かりな空力アップグレードを持ち込んだ。
マクラーレンを除く他の5チームは主に、ハンガロリンク対策として空力コンポーネントを微調整した。
チーム | フロント | フロア | サイドポッド | カウル | コックピット | リア | |||||||
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ウイング | ダクト | サス | サス | ウイング | ビームウイング | ダクト | ディフューザー | 他 | |||||
レッドブル | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||||
メルセデス | ◯ | ||||||||||||
フェラーリ | ◯ | ||||||||||||
マクラーレン | |||||||||||||
アストンマーチン | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||||
アルピーヌ | ◯ | ||||||||||||
ウィリアムズ | ◯ | ||||||||||||
RB | ◯ | ◯ | |||||||||||
ザウバー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ||||||||
ハース | ◯ | ◯ |
レッドブルRB20
レッドブルはエンジンカバーを大々的に見直した。以前のハイショルダー/キャノン型の冷却出口チャネルは廃止され、よりオーソドックスなフォルムに立ち返った。冷却ルーバーも以前の仕様とは完全に異なっている。
これは灼熱低速のハンガロリンクのコース特性に合わせた変更で、冷却要求がより低い高速サーキットでは今後も以前のスペックが使われる見通しだ。
実際、この変更についてレッドブルは、低速サーキットにおける冷却効率の向上を目的としたものだと説明している。冷却効率の向上はすなわち、空力的損失の減少を意味するため、必然的にパフォーマンスも向上する。
また、ヘイロー周りのフェアリングが変更されたほか、前後のブレーキダクトも最適化されており、フロントウイングにも改良の手が加えられている。
2回に渡って行われた初日プラクティスではマックス・フェルスタッペンのクルマにのみ新型エンジンカバーが搭載された。セルジオ・ペレスはエンジンカバーを除く全てのアップデートを使用した。
フェラーリSF-24
スペインGPで導入されたアップグレードによりフェラーリSF-24はバウンシングに見舞われ、また、予測可能性が悪化して競争力を失った。そこでマラネッロの技術チームはスペイン版の形状を変更・進化させた改良型フロアをハンガリーに持ち込んだ。
アストンマーチンAMR24
ベンチュリートンネルの形状、エッジ、フェンスを含めてフロアを全面的に改定するとともに、アンダーフロアから抜ける気流を改善してより多くのダウンフォースを発生させるべく、ディフューザーとビームウイングを改良した。
また、ハイ・ダウンフォース仕様のリアウイングとのバランスを取るために、フロントウイング用として新しいフラップのオプションを持ち込み、ヘイローに付属する整流フィンも変更した。
ザウバーC44
開幕12戦を経て唯一の無得点チームであるザウバーはマシン全体を変更するメジャーアップグレードを持ち込んだ。
サイドポッド・インレットとエンジンカバーを同時に変更し、またフロアエッジとフロアボディを変更することで、リアへと流れる気流を抜本的に見直した。
またこの変更に合わせてリアビューミラーのステーを調整し、ヘッドレストのショルダー部分の高さを引き上げた。
リアホイール周りではブレーキダクト、ディフレクター、サスペンションフェアリングが改定され、また、新しいディフレクターと組み合わせたヘイローが投入された。
メルセデスW15
全車高域に渡って空気抵抗による損失を低減すべく、リアウィングの翼端板下部にあるディフレクターが調整された。
アルピーヌA524
暑いコンディションが予想されるハンガロリンクに合わせてリアブレーキダクトを拡大した。
RB VCARB 01
フロントブレーキダクトの冷却性能を向上させると主に、ハンガロリンクを含むハイ・ダウンフォース・サーキットに合わせて更なるダウンフォースを発生させるべく、リアコーナーのウイングレット形状をアップデートした。
ウィリアムズFW46
熱対策として、大型の冷却出口ダクトを備えた新しいエンジンカバーを持ち込んだ。
ハースVF-24
冷却効率の向上を目的として、ラジエーター出口ダクトと冷却ルーバーのオプションを持ち込んだ。