”不気味”な改良レッドブルを抑えてサインツが最速、RB復活の狼煙か角田裕毅が8番手 / F1ハンガリーGP 2024 《FP1》結果と詳報

Courtesy Of Ferrari S.p.A.

Published：2024/7/19 22:40 Updated：2024/7/20 02:00

シーズン13戦目となる2024年F1世界選手権ハンガリーGPが7月19日に開幕を迎え、カルロス・サインツ（フェラーリ）が金曜1回目のフリー走行でトップに立った。角田裕毅（RB）は8番手という結果だった。

スペインGPで導入されたアップグレードによりフェラーリSF-24はバウンシングに見舞われ、また、予測可能性が悪化して競争力を失った。そこでマラネッロの技術チームはスペイン版の形状を変更・進化させた改良型フロアをハンガリーに持ち込んだ。

マックス・フェルスタッペン（レッドブル）を0.276秒差で2番手に退けたサインツ同様、僚友シャルル・ルクレールも3番手と、フェラーリは揃って上位につけたが、今週末の最速チームであるかどうかはまだ分からない。

フェルスタッペンの自己ベストは4回のフライングラップで使われた中古タイヤにより記録されたもので、フェラーリとは異なりタイヤ履歴のアドバンテージが全く反映されていない。

レッドブルは今回、ハイショルダー/キャノン型を廃してよりオーソドックスなフォルムに戻した新しいエンジンカバーを持ち込んだ。これは高速域でのパフォーマンスを妥協する代わりに低速性能を引き上げるための空力オプションと考えられ、ハンガリーのほか、シンガポールやザントフォールトでの使用が見込まれる。

比較検証のためにシルバーストン仕様で走行したセルジオ・ペレスはフェルスタッペンからコンマ4秒遅れの11番手でセッションを終えた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ハンガロリンクを周回するマックス・フェルスタッペン（レッドブル）、2024年7月19日F1ハンガリーGP FP1

金曜午前のハンガロリンクは路面温度が60℃近くにまで達した。これは今年一番の熱さだ。各チームはボディーワークやブレーキダクトに最大冷却オプションを採用するなどして対応。パフォーマンスの妥協レベルを探った。

常設コースではあるものの、ハンガロリンクは使用頻度が高くないため伝統的に路面の進化が大きい。

トップ4以降は大いに接近した。4番手を刻んだ好調メルセデスのジョージ・ラッセルから10番手につけたチームメイトのルイス・ハミルトンまでのギャップは0.15秒に過ぎなかった。

角田裕毅はマクラーレン勢と遜色ない8番手タイムを刻み、ダニエル・リカルドはチームメイトから0.318秒遅れの12番手でクルマを降りた。

ハンガロリンクは低中速コーナーが主体であり、事前の予想通りVCARB 01にとっては過去3戦よりも相性が良いように思われる。

一方でウィリアムズにとってはアレックス・アルボンの懸念通り、厳しい1日の始まりとなり14番手に留まった。アルボンはフロアフェンスの一部がコースに脱落するアクシデントに見舞われ、一時的にバーチャル・セーフティーカー（VSC）が導入される場面もあった。

中速域のパフォーマンスに課題を抱えるハースはケビン・マグヌッセンが19番手、ニコ・ヒュルケンベルグに代わって出走したオリバー・ベアマンが20番手と、揃って最下位に沈んだ。

アップグレード版ではない旧スペックのザウバーC44を走らせた周冠宇は、昨年のハンガリーGP予選と同じ5番手をマークしてパドックを驚かせた。

厳しいシーズンが続くアストンマーチンは、アップグレード版のAMR24をドライブしたフェルナンド・アロンソが13番手に留まる一方、旧仕様のランス・ストロールは9番手を刻んだ。

FP2は日本時間7月19日(金)24時から1時間の日程で開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2024年F1第13戦ハンガリーGPフリー走行1（FP1）リザルト

Pos	No	Driver	Team	Time	Gap	Laps
1	55	カルロス・サインツ	フェラーリ	1:18.713		26
2	1	マックス・フェルスタッペン	レッドブル・ホンダRBPT	1:18.989	+0.276	19
3	16	シャルル・ルクレール	フェラーリ	1:19.011	+0.298	28
4	63	ジョージ・ラッセル	メルセデス	1:19.137	+0.424	27
5	24	周冠宇	ザウバー・フェラーリ	1:19.180	+0.467	23
6	4	ランド・ノリス	マクラーレン・メルセデス	1:19.211	+0.498	25
7	81	オスカー・ピアストリ	マクラーレン・メルセデス	1:19.249	+0.536	25
8	22	角田裕毅	RB ホンダRBPT	1:19.260	+0.547	25
9	18	ランス・ストロール	アストンマーチン・メルセデス	1:19.265	+0.552	24
10	44	ルイス・ハミルトン	メルセデス	1:19.287	+0.574	28
11	11	セルジオ・ペレス	レッドブル・ホンダRBPT	1:19.440	+0.727	21
12	3	ダニエル・リカルド	RB ホンダRBPT	1:19.578	+0.865	26
13	14	フェルナンド・アロンソ	アストンマーチン・メルセデス	1:19.686	+0.973	24
14	23	アレックス・アルボン	ウィリアムズ・メルセデス	1:19.794	+1.081	21
15	77	バルテリ・ボッタス	ザウバー・フェラーリ	1:19.804	+1.091	27
16	2	ローガン・サージェント	ウィリアムズ・メルセデス	1:19.885	+1.172	25
17	10	ピエール・ガスリー	アルピーヌ・ルノー	1:19.976	+1.263	25
18	31	エステバン・オコン	アルピーヌ・ルノー	1:20.023	+1.310	26
19	20	ケビン・マグヌッセン	ハース・フェラーリ	1:20.295	+1.582	26
20	50	オリバー・ベアマン	ハース・フェラーリ	1:20.371	+1.658	26