トロロッソ・ホンダ、戦略でW入賞逃すも 激しくフェアなチームメイトバトル

激しいチームメイトバトルを演じるトロロッソ・ホンダのアレックス・アルボンとダニール・クビアト、2019年F1ハンガリーGP決勝レースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

F1はチーム毎のマシンの性能差が大きく、それがチャンピオンシップを退屈なものにしてしまう時もあるが、似通ったそのクルマを駆るチームメイト同士が、時折タフでギリギリの好バトルを見せてくれる事がある。ハンガリーGPでのトロロッソ・ホンダの二人がまさにそうだった。

「壁のないモナコ」と称されるハンガロリンク。コース上での動きが硬直していた19周目、12番手を争うトロロッソ・ホンダの2台が、接触スレスレのサイド・バイ・サイドを演じた。ターン1のブレーキングで仕掛けたクビアトは、その後ターン4までの長い距離に渡ってアルボンと並走しつづけ、互いに一歩も譲らない見事なレースを披露した。

鼻先一つ抜け出たクビアトがこの戦いを制し前に出たものの、その後のピットタイミングが二人のリザルトを左右する事となった。

21周目にいち早くピットへと入ったクビアトは15番手でコースに復帰。一方のアルボンは、28周目まで第1スティントを引き延ばした。この7ラップの差がポイントの違いを生んだ。

ピット作業を終えたアルボンは、クビアトのすぐ真後ろについた。二人は30周近くに渡って周回を重ねたが、タイヤの摩耗に苦しむのは当然、先にピットへと入ったクビアトだ。終盤に10番手を狙ってセルジオ・ペレスに攻撃を仕掛けたクビアトであったが、そこでタイヤが崖を迎えた。

タイヤの性能低下に苦しんだクビアトは、残り10周でアルボンに交わされ後退。さらにその後、ニコ・ヒュルケンベルグ、ケビン・マグヌッセン、ダニエル・リカルドにごぼう抜きにされてしまい、アルボンが10位入賞を果たしたのとは対照的に、15番手でチェッカーフラッグを受けた。

フランツ・トスト代表は「ダニールをピットインさせるのが若干早すぎた」と語り、ポジションを失ったのは戦略ミスが原因だったと認めた。また、二人の手に汗握るバトルについては「あの攻防戦は本当に素晴らしかった。ピットからは何も指示せず、2人にレースさせることにした。スタンドのファンもテレビの前のファンも、それを望んでいるわけだからね。フェアで見事なバトルだった」と褒め称えた。

激しくフェアなチームメイトバトル

アレックス・アルボン決勝: 10位, グリッド: 12番手

今日はすごく良いレースが出来た。第1スティントはボチボチと言った感じで、ミディアムタイヤは全くグリップがなく感触が悪かったけど、ハードタイヤに履き替えたらクルマが息を吹き返してくれた。

今日はダニーと2回も良いバトルができた。最初のはヤツは際どかったけどね!楽しめたし、フェアなレースだった。10位は、今日の僕らがなし得たベストな結果だと思うから満足しなきゃね。

この後は少しゆっくりできる時間があるから、後半戦に向けてもっと改善するために、これまでのシーズンを振り返って色々と学ぶつもりだ。

ダニール・クビアト決勝: 15位, グリッド: 13番手

面白いレースだったし。良い1日になったとも言えるかもしれないけど、ツイてない事に、ピットインのタイミングが早過ぎたせいで、残り15周位のところでタイヤの崖が来てしまったんだ。タイヤが完全に終わってしまったわけだから、戦略的には今日は上手くいかなかったってことさ。

アレックスとは良いバトルができたよ。二人とも同じタイヤを履いていたけど、何とかして追い抜くことができたし、すごく楽しかった。でも、チェッカーまで後少しのところでタイヤが完全に終わってしまい、それ以上は楽しめなかったけどね。

ポイントを持ち帰れなかったのは残念だけど、自分のドライビングには満足してるし、クルマからは全てを引き出せたと思う。


8月4日(日)にハンガロリンクで行われた2019年F1第12戦ハンガリーグランプリ決勝レースでは、3番グリッドからスタートしたメルセデスのルイス・ハミルトンが、ポールシッターのレッドブル・ホンダ、マックス・フェルスタッペンを最終盤に交わし、逆転優勝を飾った。

F1ハンガリーGP特集

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