ラッセルのQ1敗退に憤慨するウォルフ「あり得ない」ハミルトンの5番手にもご立腹
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F1ハンガリーGP予選を経てメルセデスのトト・ウォルフ代表は「文字通り、ここに関わる全員のパフォーマンスが全く奮わなかった」と語り、チーム全体に対して憤りをあらわにした。
ダンプからドライへとコンディションが変化したQ1で、十分な量の燃料を積まなかったことでラッセルはまさかのQ1ノックアウトを喫した。一方のハミルトンはセッションを経る毎に上昇する気温に阻まれ5番手に甘んじた。
過去2レースに続く3連勝を目指すメルセデスのボスは「Q1で1台を失うなんてあり得ない。ドライバーとチームの組み合わせとして、あってはならないことだ」と語気を強めた。
「(ハミルトンに関して)おまけに終盤に向けてはペースを掴むことができなかった。本当に、本当に残念な一日だった」
ミスの70%はチーム側
セルジオ・ペレス(レッドブル)のクラッシュに伴う赤旗後、メルセデスはセッションが再開されるとザウバー勢と並んでいち早くラッセルをコースに送り出した。決定的な問題は、このタイミングではなく燃料量だった。
ラッセルは3周分の燃料しか搭載していなかったがために、アウトラップ、計測ラップ、インラップと1ランを終えた後、路面の状態が最良となった終盤にガレージに戻らざるを得ず、他のドライバーが次々とタイムを更新していく様をガレージから見守るほかになかった。
「(ラッセルは)ルイスが最速を刻んだ際(赤旗前)に最初のラップを決めておくべきだった。彼によれば、おそらく甘く見ていたのだろうということだった」とウォルフは語る。
「そしてもう1つは、1周分少ない燃料を積ませたことにあった」
「全体的には、1周分よけいに給油しなかったという点で、ミスの70%をチームが占めている」
燃料ミスに苛立つラッセル
ラッセルはハンガロリンクでの予選を「惨事」と称した。赤旗前に真っ当なラップタイムを記録できなかったことについては「僕のミス」だと認めつつも、燃料量の問題に対しては不満を抱き続けた。
「雨が一番強く降っていた時にコースに出て、路面が乾いた時には燃料がなくなってしまった」とラッセルは振り返る。
「2つの理由で災難だった。最終ラップを走れていれば余裕で突破できたはずなのに燃料がなかった。そもそもあのポジションに留まっていたのは僕の責任だ」
「確かに僕らのいつもの基準に達していなかった。僕の方の件に関してはセッションの序盤に何が起きていたのかを理解する必要があるけど、セッション全体を通して十分な燃料を積んでおくことは基本中の基本だ。チームとして酷いミスを犯してしまった」
弱点が露呈したW15
ハミルトンについてウォルフは、ポールポジションとのギャップをコンマ2秒以内に抑えるべきだったと考えているが、実際のギャップはコンマ6秒以上に達した。
ハミルトンが抱えた問題についてウォルフは「タイヤの温度が上がったり下がったりしてしまい、彼にグリップのあるクルマを与えるための妥協点を見つけるのが難しかった」と説明した。
ダンプコンディションのシルバーストンで3年ぶりの勝利を上げたハミルトンは、暑いコンディションになるとW15が競争力を発揮できないことに対するフラストレーションを隠そうとはしなかった。
3列目5番グリッドという結果についてハミルトンは、「僕らは最前列を狙っていたわけで、満足できるはずがない」と振り返った。
「まずまずの仕事をしたと思うし、できることは全てやったとは思う。比較的良いポジションにつけることができたしね。でも、暑くなると僕らは特段、速くなくなってしまう」
「セッションが始まった時はかなり涼しかったから速さがあったけど、気温が上昇すると他のチームが速くなり、僕らは遅くなった、あるいは少なくとも速くはならなかった」
2024年F1ハンガリーGP予選ではランド・ノリスがポール、オスカー・ピアストリが2番手に続き、マクラーレンが12年ぶりのフロントロウ独占を果たした。
決勝は日本時間7月21日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。