ホンダF1、角田裕毅の事故を除き”順調”な滑り出し…フェルスタッペンの事故PUは現役続行!
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7月30日(金)にハンガロリンクで開幕した第11戦ハンガリーGP。ホンダF1パワーユニット勢はFP1でクラッシュを喫した角田裕毅(アルファタウリ)を除いて順調な滑り出しを決めた。
角田裕毅は午前のプラクティス中にターン4でコントロールを失い、リアからバリアに衝突した。大きな事故ではなかったがAT02はダメージを負い、車両回収のためにセッションは一時赤旗中断となった。
その代償は余りに大きく、事故の影響は1回目のフリー走行に留まらなかった。FP2に向けてメカニックはギアボックス交換とリアエンドの大掛かりな修復に追われ、角田裕毅がコースに出たのは残り2分になってからだった。
チームとしてはデータ収集をピエール・ガスリー1台のみに頼らざるを得ず、角田裕毅はこの日、計120分間のフリー走行の7割近くを失い、ルーキーにとって何より重要なマイレージを稼ぐ事ができなかった。
ただしそれを除けばホンダ勢としては前向きな1日になった。セルジオ・ペレスが5番手、ピエール・ガスリーが6番手と上位並んだ事もさることながら、最大の朗報はマックス・フェルスタッペンのパワーユニットに”Goサイン”が出た事だろう。
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは初日プラクティスを終えて、フェルスタッペンのパワーユニット(PU)が問題なく機能した事を明らかにした。
イギリスGPの1周目に発生したクラッシュによってフェルスタッペン駆る33号車RB16Bは、1億4500万ドルという今季コストキャップの約1.2%に相当する非常に大きな損害を被り、搭載されていたパワーユニットへのダメージが懸念されていた。
ホンダは事故に遭ったPUをHRD Sakuraに送り徹底的な調査を実施。規制で認められている幾つかの部品を交換してハンガロリンクに持ち込み、継続使用可能か否かを判断するために初日フリー走行を使って実地テストを行った。
仮に交換が必要な状況になれば23戦が予定されているシーズン後半での4基目投入は避けられず、タイトル争いに影響が及ぶ可能性があったが、51Gもの衝撃に晒されながらも33号車に搭載されていたホンダRA621Hはエンジニア達のお眼鏡に適い、現役続行の許可を得た。
iRacingスパ24時間レースに参戦して事故による身体への影響をチェックするなど、復帰戦に向けて準備を進めてきたフェルスタッペンはこの日、全体ベストを刻んだFP1で21周、3番手タイムをマークしたFP2で24周を走り込んだ。
田辺豊治テクニカル・ディレクターはこの日の前向きな材料として「フィジカル面に問題なくフェルスタッペン選手がドライブした事」「PUが正常に作動していた事」の2点を挙げた。
「今日のハンガリーGP初日は気温が30℃を超え、真夏の陽射しによって路面温度が60℃を超す非常に暑い1日となりました」
「FP1ではスクーデリア・アルファタウリ・ホンダの角田選手がスピンを喫してマシンを損傷してしまいました。修復のためにFP2の大半を失った事を除けば、レッドブル・ホンダを含めてその他は順調でした」
順位 | ドライバー | チーム | タイム | 差 | 周 |
---|---|---|---|---|---|
3 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:17.310 | +0.298 | 24 |
5 | ペレス | レッドブル | 1:17.824 | +0.812 | 23 |
6 | ガスリー | アルファタウリ | 1:18.113 | +1.101 | 31 |
17 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1:19.671 | +2.659 | 3 |
「ただ、全体的にはまだまだ改善の余地がありますので、明日に向けて作業に取り組んでいきたいと思っています」
「今年はほぼ全てのイベントで非常に拮抗した予選が繰り広げられていますが、ハンガロリンクは全長が短いため余計にラップタイムが接近する事が予想されます」
「明日の予選は非常に厳しい戦いになることが予想されますので、今日得たデータを分析して、チームとともに最適化を図っていきます」
F1ハンガリーグランプリ3回目のフリー走行は日本時間7月31日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってハンガロリンクで開催される。