「かなり後退」と暗中模索の角田裕毅、ラップに「かなり満足」のガスリー…見解対照的なアルファタウリ
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7月29日(金)に行われた2022 F1第13戦ハンガリーGP初日セッションを終えての角田裕毅は暗中模索といった具合で、パフォーマンス不足を認めつつも「マシンバランスに大きな問題があるわけではない」とするピエール・ガスリーとは対照的だった。
前戦より「かなり後退」と角田裕毅
アルファタウリにとってハンガロリンクでの初日は冴えない1日だった。角田裕毅はFP1でクルマを激しくロックアップさせタイヤにダメージを負い、ガスリーはアンチストールの問題とトラフィックに悩まされた。
両者共にトップ10圏外に沈んだFP1を経て臨んだ2回目のプラクティスでは、ガスリーが15番手、角田裕毅は19番手と、更に後退した。
ヘルメットを脱いだ角田裕毅は「フランスGPではクルマが本当に上手く機能していましたが、今日はクルマのバランスが理想的ではなく、かなり後退したような感じで本当に苦労しました」と悲観的な言葉を口にした。
「今夜、エンジニアと一緒に問題を突き止め、明日に向けて改善していきたいと思います」
「予選は雨になりそうですが、それが僕らにとってどう作用するかはまだ何とも言えません。明日に向けて何を学べるかという事と、FP3でどれだけペースを引き上げられるかという事に懸かってくると思います」
バランスに大きな問題はない、とガスリー
パフォーマンス不足という点での見解は一致しているものの、バランスに問題を抱えて真っ当に走れず、先の見通しが立たないというチームメイトに対してガスリーは、バランスには大きな問題はなく、天候の悪化が予想される予選では雨を望むと語った。
「かなり満足できるラップを走れたし、FP2でも何とか上手くまとめる事ができた。パフォーマンスという点では、まだ足りていないけどね」
「スライドがあまりに多かったから、明日に向けて速さを引き上げるために何を変えべきなのかを探っていくつもりだ」
「バランス面に大きな問題があるわけじゃないし、クリーンにラップをまとめて限界まで攻める事ができたように感じたけど、今はまだそれがタイムに反映されていないように見えるから、今夜はその点を分析する必要がありそうだ」
「予報では明日の予選は僕好みの雨になりそうだね。クルマの改善策が見つかる事を願っているけど、雨が降るのは僕らにとって悪いことじゃない 」
今週末は二人共がFP1からアップグレード・パッケージを使用した。アクシデントに見舞われたフランスのレースで必要なデータを集める機会を失ってしまったため、まだ完全に使いこなせていないように見える。
課題はソフトでのグリップ不足
チーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズはこの日のプログラムについて次のように語り、ソフトタイヤでのグリップ不足の解消が2日目に向けてのターゲットだと説明した。
「先週のフランスGPで新しいエアロパッケージがコース上でどのように機能するかについて多くを学んだ上で、準備を整えてハンガリーに臨んだ。初日はこのサーキットに適したセットアップを施し、2台のマシンでバランスを改善するために多くのテストに取り組んだ」
「FP1ではハードとソフトの2種類のタイヤを使用した。ハードは予想よりも遥かにグリップが低かったため、ソフトに履き替えた際のグリップレベルの向上が大きく、最初のプッシュラップでは最大限のパフォーマンスを発揮できなかった」
「ハードに関してはFP1のロングランでも同じような感じだった。路面温度が高く、またハンガロリンクはタイヤへの入力が高いためタイヤに厳しく、デグラデーションが大きかった」
「これらの問題を解決するためFP2に向けて変更を施した。ただ、ソフトタイヤで期待されたグリップの向上が見られなかったため、その原因を理解し、明日に向けてセットアップをアップデートして対処する必要がある」
「今日のパフォーマンスは我々の期待に添うものではなかったから、今夜はやるべきことが山積みだ」
「明日は天候に関して疑問符がつくため、初日のセッションがレース前の最後のドライ走行になる可能性もあるが、いずれにしても問題点を理解するために努力を続けて、残りの週末に向けて改善を図っていきたい」
初日をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。2番手ランド・ノリス(マクラーレン)を0.217秒差で退けた。3番手には0.231秒遅れでカルロス・サインツ(フェラーリ)が続く結果となった。
2022年F1ハンガリーグランプリ3回目のフリー走行は日本時間7月30日(土)20時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってハンガロリンクで開催される。