レッドブル・ホンダ 予想的中…メルセデス、2021年型W12への更なるアップグレードを用意

メルセデスF1の本拠地「ブラックリー」のファクトリーCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表の予想は的中した。メルセデスのトト・ウォルフ代表は今季型W12に今後アップグレードを持ち込む予定はないとしたが、実際には空力及びパワーユニット(PU)双方での改良が計画されている。

第8戦シュタイアーマルクGPでマックス・フェルスタッペンに為す術もなく2位に終わったルイス・ハミルトンがアップグレードの必要性を訴えた事を受け、トト・ウォルフは次世代シャシーが導入される来季に向けた開発にフォーカスすべきだとして、今季型W12への今後の開発投入は「今のところ考えていない」「我々は来年が非常に重要だと考えているため、今年の開発を中止した」と語った。

Courtesy Of Daimler AG

テレビインタビューに答えるメルセデスのトト・ウォルフ代表、2021年6月25日F1シュタイアーマルクGPにて

ハミルトンもまた件の発言の後に行われたレース後会見の中で「無論僕らはアップグレードや改善を望んでいるけど、それは現在カードに載っていないと思ってる。もちろん、ブリーフィングではそれについて話すけどね」と述べ、マシン改良の予定はないと説明した。

だがこれに対してクリスチャン・ホーナーは、8連覇を目指すディフェンディングチャンピオンが15戦を残した現段階で今後一つも新しいパーツを投入しないというのは「信じられない」と疑問を呈し、必ずや自分達と同じ様にアップグレードを持ち込んでくるはずだとの考えを示したが、その予想は的中した。

メルセデスのテクニカル・ディレクターを務めるジェームズ・アリソンは、車体開発を担当するブラックリー、そしてパワーユニット開発拠点のブリックスワースの両方で、レッドブル・ホンダにキャッチアップするための幾つかの開発物が用意されていると明かした。

ジェームズ・アリソンはポッドキャスト”F1 Nation”の中で「我々は来たるべき今後のレースにおいて、マシンをより速くするための妥当な数のものを持っている」と述べた。

「我々のファクトリーでは来年のパフォーマンスを見つけるための作業に殆どの労力を割いているが、開発のパイプラインの中に何も残っていないわけではない」

「更に言えば、我々にはブラックリー(車体)とブリックスワース(PU)の2つのファクトリーがある。PUファクトリーの方でも、もう少し多くのものが提供される事になる」

「このように幾らかの空力面でのアップグレードが近々予定されている事に加えて、パワーユニット側としてもデリバリー面においてもう少し加えられるものがある」

「望んでいる程上手くいっていない部分が幾つかあるが、これについては今シーズンがホットな内に修正するチャンスがある」

Courtesy Of Daimler AG

2017年よりメルセデスF1のテクニカル・ディレクターを務めるジェームズ・アリソン

この発言はトト・ウォルフの主張と矛盾するように思われるが、ジェームズ・アリソンは風洞での空力作業が来季向けの内容に移行したという事であり、焦点を切り替える前段階で研究開発されていた幾つかのアイテムが生きているのだとして「そうは思わない。トトが正確にそう言ったとは考えていない」と答えた。

「トトが指摘したのは、来年のルールが非常に大きなインパクトをもたらし得る問題だという事で、我々として非常に高い関心を持っているという事だ」

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