囁かれるフェルスタッペンと鬼才ニューウェイのレッドブル・ホンダ離脱…憶測に答えるホーナー代表
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2戦連続でホンダ製F1パワーユニットにトラブルが生じ、2020年シーズンのリタイヤ率が3割に上った事で、マックス・フェルスタッペンが解除条項を利用して今季限りでレッドブル・ホンダを離脱するのではとの憶測が流れる中、クリスチャン・ホーナー代表は来季フェルスタッペンの残留を「100%」確信しているとして、噂を退けた。
年明け早々に3年の契約延長を結び、2023年まで英国ミルトンキーンズのチームに留まる事が発表されたフェルスタッペンだが、モンツァとムジェロの2レースで立て続けにDNFを喫したことで、フェルスタッペンの母国オランダメディアが契約書に存在すると見られる解除条項に触れ、契約を途中解除して他チームへ移籍する可能性について言及した。
毎年恒例の行事と言えばそれまでだが、こうした憶測が囁かれるのは”前例”が存在するからだ。かつてレッドブル・レーシングのエースであったセバスチャン・ベッテルは、2015年末までの契約を締結していたものの、パフォーマンス条項を行使して1年早くチームを去り、スクーデリア・フェラーリへと移籍した。
ルイス・ハミルトンが今季限りでメルセデスを離れて現役を引退するという事にでもなれば話は別だが、現時点でフェルスタッペンにとって魅力的な移籍先はなく、仮に解除条項を行使できる条件が満たされたとしても、レッドブル・ホンダに留まるのは疑いない状況と言える。
F1第10戦ロシアGPのFIA金曜プレスカンファレンスに出席したホーナー代表は、フェルスタッペンが来季もチームに留まるというのは現実的な話なのか?と問われ、次のように答えた。
「まあ、ドライバーとチームとの間の契約は常に秘密事項だから、それに関して憶測が飛び交うのは毎度のことだが、私はマックス・フェルスタッペンが来年もレッドブルのレーシングカーに乗る事を100パーセント確信している」
フェルスタッペンの一件とは文脈が異なるが、イタリアメディアはこの程、来季よりアストンマーチンF1を名乗るシルバーストンのチームとそのオーナーであるローレンス・ストロールが、空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイを引き抜こうと画策しているとの疑惑を報じた。
両者は既に協業の実績があり、疑われるだけの素地もある。
レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサーは、F1に関する業務を抑えて時間を作り、メカニカルデザイン・シミュレーション・CFDの各専門分野のエンジニアおよびデザイナーから成る5名のチームを編成。究極のロードカーの青写真を作り上げてアストンマーチンと提携する事で、ハイパーカー「ヴァルキリー」をこの世に生み出した。
しかしながらホーナーは、フェルスタッペンに関する憶測を一蹴したように、天才的デザイナーがチームを離れるとの疑惑をあざ笑うかのように退けた。
「彼は我々と共に14年間を過ごしてきた。彼はチームに満足しているし、この環境で仕事をする事を楽しんでいる。確かに近年は一歩下がった位置からF1の仕事に携わってきたが、今もなおモチベーションに溢れている」
「彼は間違いなく来年もチームにいるし、それに関しては疑う余地がない」