ホンダF1、レッドブルとの提携のメリット・開発及び供給体制・目標を語る

トロロッソ・ホンダSTR13のノーズに掲載されたホンダのロゴcopyright Honda

レッドブル・レーシングへのパワーユニット供給契約を締結した事に伴い、最前線に立って交渉を進めてきたホンダのモータースポーツ部門を率いる山本雅史が、レッドブルとの提携のメリット・開発及び供給体制・目標を語った。

レッドブルに対する印象と来季に向けた開発


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「今年からパートナーシップを組んでいるトロロッソも同様ですが、今回の契約交渉を通し、レッドブル・グループがホンダという会社に対して非常にリスペクトを払ってくれている事を強く感じました。」

「F1では過去3年間、我々はなかなか思うような成績を出すことができずに苦しんできたわけですが、そのような状況にあっても、ホンダとのパートナーシップに可能性を見出し、真摯な姿勢で交渉に臨んでくれた事にとても感謝しています」

「具体的な契約内容については公表できませんが、内容は非常にフェアなものですし、我々としてもそういった彼らの期待やリスペクトに応えられるよう、全力で開発やその他の準備に取り組んでいきます」

「来季に向けては、各チームともに既に準備を始めている段階だと思いますので、我々としてもレッドブルと一緒にできるだけ早く車体とのマッチングなどの開発を開始します」

「昨年のトロロッソとのパートナーシップ決定時より時間的な余裕はあるものの、それでもタイミングとしてはギリギリだと考えていますので、円滑にコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めていかなくてはなりません」

パワーユニット供給のあり方


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「レギュレーションに沿って同一仕様のPUを供給することとなります。我々PUマニュファクチュラーからすると、これまでのように供給先チームをワークス/カスタマーと定義づける考え方は、それぞれに同一PUを供給しなくてはならないという現行レギュレーションを考慮すると成立しないと思っています」

「そういった意味でも、今回の契約はレッドブル・レーシング、トロロッソ、そしてホンダの三者がイコールになるようなパートナーシップだと考えています」

「2015年の復帰以降では初めてのチャレンジになりますが、元々は今シーズンからの2チーム供給を計画していた部分もあり、組織的にはある程度のベースがあります」

提携によるメリット


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「レッドブル・レーシングとトロロッソは関係が深いため、チームとのコミュニケーションの部分においてホンダ側の人員配置をスリム化できるというメリットを感じています。ただ、まだ組織や人員配置などで課題を残す部分はありますし、両チームとも話をしながら急ピッチで準備を進めます」

「地理的に互いの拠点が近いという点もコミュニケーションの観点で大きなアドバンテージになります。さまざまなコミュニケーション技術が進んだ今の時代でも、顔と顔を合わせて議論を重ねることは非常に重要で、そのようにして導かれる結論は、より効果の高いものになると考えています」

トロロッソとの今後の関係


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「基本的にトロロッソとの関係性に変化はありません。ただ、レギュレーションの範囲内で三者が最大限にシナジー効果を出せるよう、プロジェクトを進めていきたいと思っています」

「トロロッソとは第2戦でいきなり4位という結果を得られましたが、その後はアップダウンが続いています。さらなる進歩に向けて開発を続けていますし、4位という結果以上のものをこの先で得られればと考えています」

レッドブル・ホンダとしての目標


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「ご存知の通り、レッドブルは過去に何度もタイトルを獲得しているチームで、ここ数年もコンスタントに勝ち続けています。シャシー性能が優れていることは誰の目にも明らかですし、勝利に向けた可能性が高くなるという点では、ホンダにとっては大きなチャンスです」

「プロジェクトに関わる全てのメンバーのモチベーションがこれまで以上に上がると思っていますが、同時に大きなプレッシャーや責任を伴うことも事実です。ただ、高い目標に向けてチャレンジを続けてこそのホンダですし、それがF1に挑戦を続ける理由だと思っています」

「レッドブル・レーシングの今のパフォーマンスレベルを下げる事になってはいけないというのが、我々の最初の、そして最低限の目標ですが、その先の大きなゴールはさらに高いところにあると思っています」

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