初戦でMGU-H故障のホンダF1「テレメトリに複数の異常値、予兆なくトラブルに見舞われた」

トロロッソ・ホンダSTR13のエンジンカバーにプリントされたホンダのロゴcopyright Honda

ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターによれば、25日の開幕オーストラリアGPで発生したMGU-H(熱エネルギー回生システム)のトラブルは、これまでに経験したことのない種類のものであり、何の予兆もなく突然発生したという。

RACERに対して田辺は「シーズン前テストではMGU-Hには何も問題がありませんでした。(トラブルは)今回が初めてです」と述べ、事前の兆候なく突如発生した事を明らかにした。「これまではノートラブルでしたし、初戦でトラブルが発生するとは予想していませんでした」

今季ホンダ製パワーユニット「RA618H」は信頼性を重視した昨年型の進化版であっただけに、シーズン初戦での故障は痛手。最後尾からスタートしたピエール・ガスリー、6周目に16位まで挽回してみせるも13周目に突如エンジンがシャットダウン。再起動し辛うじてピットまで戻ったが、早々に戦線離脱を余儀なくされた。

田辺はレース後、トラブルの原因は排気ガスの熱を再利用して電気エネルギーに変換する「MGU-H」と呼ばれるハイブリッドシステムにある事を明らかにした。テレメトリー上には、MGU-Hの異常を示す複数のデータが確認されていたという。

ホンダはパワーユニット開発拠点であるHRD Sakuraでトラブルの詳細を解析し、第2戦バーレーンGPに向けて再発防止策を講じると約束。現時点では問題のMGU-Hが再利用可能かどうかは明らかとなっておらず、場合によっては交換が必要となる可能性もある。

テストから続くポジティブな雰囲気は一転、ファンの間には悲壮感が漂うが、2度のタイヤトラブルに見舞われながらも16位完走を果たしたブレンドン・ハートレーは、ホンダのエンジン性能はルノーと比べて遜色ないと主張。ホイール・トゥ・ホイールのバトルにおいても過不足ないパフォーマンスを示すとの見解を示している。

「全てが正しい方向に進んでいるし、僕としては何も懸念すべきような点はない。ホンダはアップデートを投入する予定だし、競争力やレースという観点からみれば心配することは何もないよ。メルセデスやフェラーリが何をやっているかは分からないけど、僕らにはオーバーテイクを可能にする幾らかのツールがある」

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