フランツ・トスト、2年前に決断していたアルファタウリF1退任…冗談が事実となったメキース復帰
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フランツ・トストは遡る事2年前の段階で既にスクーデリア・アルファタウリのチーム代表を退く決断を下していたと述べ、2023年シーズン末限りでの退任決定の経緯を明かすと共に、後任となるローラン・メキースとの裏話を披露した。
レッドブルによるミナルディ買収を経て誕生したアルファタウリの前身、スクーデリア・トロロッソのトップに就任して以降、トストは18年間に渡って伊ファエンツァのチームを率いてきたが、今季第4戦アゼルバイジャンGPを前に、角田裕毅をしても寝耳に水の退任を発表した。
F1公式サイトによると、これに伴い急遽、バクー市街地コースで開かれた会見の中で67歳のオーストリア人マネージャーは「2年前から始まっていた。当時から既にディートリッヒ・マテシッツと話し合っていたんだ」「私の決断だ」と述べ、これは解任ではなく辞任だと主張した。
「若い頃から自分に言い聞かせてきたんだ。もし指導的立場についたとしても、それに執着するべきではない。若い人、より賢い人、より創造的な人、やる気のある人に譲るべきなのだとね」
「私は70歳を迎えようとしている。別れを言う時が来たんだ」
「私はF1を愛しているが、CEOのピーター・バイエルとチーム代表のローレン・メキースという私の後任となる素晴らしい2人の人材を得た今、この物語に終止符を打つ時がきたのだ。F1を去るにこれ以上の時期はないと思う」
トストはかつての部下、メキースと交わした裏話を披露した。
「5年か6年か、7年前に彼に冗談を言ったのを覚えている。『ローラン、これからは別のチームで新しい事を学ぶべきだ。その後、戻って来い』とね」
「私は冗談を言ったつもりだったのだが、彼はこうして戻ってくる事になった。最高だよ」
アルファタウリのメキース起用について、現在レーシング・ディレクターとして起用している立場にあるフェラーリのフレデリック・バスール代表は、契約解除の詳細が合意に至っていない現時点で発表するのは「強引」だとして批判的な姿勢を示した。
トストによると、アルファタウリは当初、この発表をシーズン後半に計画していたものの、イタリアの「Gazzetta dello Sport」によるリークがあったため、やむを得ず発表に至ったという。
「本当の事を言えば、これは今回、発表を予定していたものではなかったのだが、幾つかのリークがあった。私はバクーに来て『いや、私は何も知らない』とは言いたくなかったんだ。なぜならそれは私のやり方ではないからだ」とトストは説明した。