F1フランスGP決勝レース戦略考:バクーとは真逆となった予選展開

ポール・リカール・サーキットのピットビル、2019年F1フランスGPにてCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2021年シーズンの第7戦フランスGP決勝レースが日本時間6月20日(日)22時にブラックアウトを迎える。ポール・リカール・サーキットでの53周のレースを制するのは誰なのか?

前戦アゼルバイジャンGPではソフトを使わずしてQ3進出は不可能だったが、今回のフランスは全く逆の結果となった。ミディアムとソフトの性能差はさほど大きくなく、それでいてミディアムの方が保ちが良いため、Q2では誰もがミディアムでの突破を狙った。

公式タイヤサプライヤーのピレリは今回、中間レンジのC2(ハード/白)、C3(ミディアム/黄)、C4(ソフト/赤)のラインナップを持ち込んでいる。

結局、Q3進出組は全てミディアムで予選Q2突破タイムを刻んだ。故にトップ10組は全て同じ戦略だ。ミディアムで20周前後を走りきれれば、ハードタイヤに交換してそのまま1ストップでフィニッシュできる可能性が見えてくる。

これまでの市街地2連戦とは異なり、より”普通”のコースであるポール・リカールではダーティーエアの影響が大きく、また追い抜きが困難な傾向にあるため、タイヤを保たせるために前走車とのギャップを維持する展開になる可能性がある。

アンダーカットは可能だろうが、第2スティントでハードを履く場合、タイヤに熱が入るまでの間にトラフィックに巻き込まれると成功の望みはなくなる。ストップ後にクリーンエアを受けて走れるスペースがあれば各車狙ってくるだろうが、オーバーカットの方が有効かもしれない。

タイヤ選択の自由がある11番手以降に関しても、ソフトでのスタートは考えられないため、ミディアムかハードを選択する事になるだろう。

ピットスタートの角田裕毅は恐らくハードを履くことになるだろう。スタートの際にポジションを落とす心配がなく、また、チームメイトのピエール・ガスリーがミディアムを履くためだ。ガスリーの上位入賞のためにもハードのデータが欲しい。

各ドライバーの手持ちタイヤは以下の通り。全車が新品ハードを、そして半数近くが新品ミディアムを保持している。

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