FIA、アルピーヌの異議却下も終結はまだ…チームは再審請求を行使

サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でアルピーヌA522を駆るフェルナンド・アロンソ、2022年10月23日F1アメリカGP決勝レースCourtesy Of Alpine Racing

国際自動車連盟(FIA)はメキシコシティ現地10月27日(木)18時から行われた聴聞会を経て、F1第19戦アメリカGP後にアルピーヌF1チームから提出された異議申し立て(抗議)を却下した。ただしアルピーヌが再審請求を行使したため、リザルト確定にはまだ時間を要する見通しだ。

アロンソはアメリカGPでランス・ストロール(アストンマーチン)との接触によりミラーが緩んだ状態でレースを続行。コース上にミラーが脱落した後もステアリングを握り続けて7位でフィニッシュした。

だがハースF1チームからの異議申立てを経て、30秒ペナルティが科された事でポイント圏外の15位に降格。これを受けてアルピーヌは、ハースからの異議申立てが締め切り時刻の24分遅れで受理された事を突いて異議申立てを申請した。

却下の理由についてスチュワードは、本件はそもそも異議申し立ての対象外だと指摘した。

FIA国際スポーティング規定第13条では、異議申立ての対象を「チームまたはドライバーのエントリー、コース全長、ハンディキャップ、ヒートまたは決勝の編成、競技中に発生し申し立てられたエラー、不正または規則違反、 車両に対する規定違反との主張、または競技終了時に確定した順位」と定めている。

つまりスチュワードの決定に対してチームが異議申立てを行う権利はなく、スチュワードは、アルピーヌが採るべき行動は「異議申立て」ではなく、FIA国際控訴審判所(ICA)への「控訴」だったと指摘した。

ただしこの場合であっても、アルピーヌの試みが失敗に終わっていた可能性は高い。アルピーヌが異議申立てを行ったのは決定から1時間8分後のことだった。控訴の場合は決定から1時間以内に控訴の意思をスチュワードに通告しなければならない。

国際競技規定は異議申立てや控訴の他に再審請求権を認めている。これは「競技中に利用できなかった重要かつ関連する新たな証拠」が事後に見つかった場合、スチュワードの決定に対して再審理を請求する事ができるというものだ。

再審請求の期限は競技終了後14日となっており、アルピーヌは公聴会を経て権利を行使。これを受けてスチュワードは、10月27日(木)メキシコシティ現地20時45分にハース及びアルピーヌのチーム代表者を召喚しての聴聞会を行う事を決定した。

これはアルピーヌが提出する事になる証拠が再審理の条件としている「重要かつ関連する新たな証拠」に該当するかどうかを判断するための予備審問で、スチュワードがこれを認めた場合、再審理のための審問が追って開催される。

続報:アロンソ7位復活!罰則無効

これまでの経緯は以下の通り。

  1. 10月23日 16時09分:暫定順位発表
  2. 10月23日 17時03分:ハースからの異議申立てを受理
  3. 10月23日 20時53分:アロンソへの罰則裁定成立
  4. 10月23日 21時00分:最終順位発表
  5. 10月23日 22時01分:アルピーヌ異議申立て申請
  6. 10月27日 18時00分:聴聞会
  7. 10月27日 20時40分:アルピーヌの異議却下

なおハースからの異議申し立てが期限後に受理された事についてスチュワード議長は、一件を巡ってハースがレースコントロールを訪れた際に、1時間の猶予があると告げたと説明した。

異議申立てについて、国際競技規定第13条3項5には「暫定順位発表後30分以内に提出しなければならない。ただしスチュワードが30分の期限を遵守することが不可能であると判断した場合はこの限りではない」と規定されている。

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