フェラーリに新たな脅威?F1ブラジルGPを前に新たな技術指令書…トリック潰しの攻勢続く
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オースティンでの週末に続き、FIA国際自動車連盟はF1第20戦ブラジルGP開幕を前に、フェラーリのパフォーマンスを脅かしうる新たな技術指令書(TD 38/19)を発行した。独AMuSの報道によると、インタークーラー、エアコレクター、そしてERSシステムの各部から、燃焼室内に可燃性の液体を流入させる事は違法だとの通達があったという。
前戦F1アメリカGPでは、赤いクルマのエンジンに疑惑の目が向けられた。レッドブル・ホンダがFIAに対し、燃料流量測定に関するルールの明確化を要求。FIAは公式予選とFP3を前に、測定センサーを欺いて燃料流用を増加させるのは違法だと宣言した。
技術指令書が発行された事を受けて、ライバルチームはこれまで以上にフェラーリのパフォーマンスに対する監視を強めた。フェラーリは連続ポールポジション記録を更新できず、レースでは4位に終わったため、一部では、フェラーリの強大なエンジンパワーの秘密の一端が暴かれたと考える向きも出た。
無論フェラーリ側はこの憶測を否定。マッティア・ビノット代表は「影響は何もない」と強調したが、その9日後、FIAはトリックに関連している可能性がある別の技術指令書を発行した。
かねてより、フェラーリのインタークーラーには懐疑的な見方が寄せられていた。インタークーラーを介してエンジンオイルをエンジン内部に流入させる事で、エキストラパワーを得ているのではと疑われていたのだ。
サンパウロでのフェラーリは、アメリカGPの時以上に厳しい目に晒される事になる。インテルラゴス・サーキットのターン13からターン1にかけては、上り坂のロングストレートが続く。ここは約15秒間に渡るエンジン全開区間であり、事実上、フェラーリがこのセクションでライバルに対して遅れを取る事は許されない。遅れはすなわち、不正をしていた事の裏付けとして受け取られてしまう。
シャルル・ルクレールは、是が非でもスピードトラップ最速を記録しなくてはならない。ルクレールはサンパウロでの週末に先立ってエンジン交換を実施する予定であり、再び最新型スペック3エンジンを手にする事になるため、誰よりも潤沢にパワーを使う事が出来る。