フェラーリエンジンの圧倒パワーの謎が明らかに? 燃料流量違反を疑うレッドブル
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スクーデリア・フェラーリは、予選で弾丸の如き速さを発揮する一方、決勝では影を潜める謎の高出力モードを備えていると考えられている。予選でのエキストラパワーは40馬力とも50馬力とも推定されており、ライバルはその合法性を疑っている。
ホンダとタッグを組むレッドブル・レーシングは、10月22日にFIA国際自動車連盟に対し、”とあるアイデアの合法性”を明確にするよう求めた。それは、レギュレーションで規定された燃料流量上限を超えての走行を可能にするもので、当然のことながら規約に抵触する違法のアイデアであった。
仮に許可された燃料流量以上を使う抜け穴があるとすれば、チームはある特定の状況下で、より多くの燃料を燃やして余計に馬力を得る事が可能となる。特に低速からの加速の際など、エンジンが最も燃料を食うタイミングでエキストラパワーが得られれば、加速力が向上し、より速くトップスピードに達する事が可能となる。
レッドブルは、違法と思われるアイデアを敢えてFIAに問うた。当然、狙いはフェラーリだ。FIAに対して違法と適法の線引を明確にさせ、この抜け穴、あるいはこれに類似する仕組みを使っているエンジンマニュファクチャラーを牽制する。そんな思惑があるのは明らかだ。
FIAは、アメリカGP予選が行われた11月2日の朝に技術指令書を発行。レッドブルから指定されたシステムは違法だとの見解を示した。
燃料流量は連続的にではなく、間隔を置いて断続的に測定されており「1時間に100kgを超えてはならない」と規定されている。計測が断続的であるということは、測定されていないタイミングで多くの燃料を通過させる事ができれば、センサーに感知される事なく多くの燃料を使う事ができるという事だ。
詳細は不明ながらも、レッドブルが突いたのがこの部分であり、外部からの2,000Hz相当のパルス信号によって流量メーターに干渉し、これを達成する仕組みのようだ。
FIAとレッドブルとの一連のやり取りは全チームに公開されており、ライバル達はこれまで以上にフェラーリのパフォーマンスに目を光らせる事になる。仮に、以降フェラーリのパフォーマンスが低下したとすれば、それはレッドブルが指摘したアイデアを使っていた可能性が高いという事だ。
土曜午後に行われた公式予選でフェラーリは、バルテリ・ボッタスにポールの座を許し、連続ポールポジション記録を6でストップさせた。