世界的PC大手と”超大型契約”、F1に「スクーデリア・フェラーリHP」誕生!マイアミGPよりチーム名を変更
Published:
FIA-F1世界選手権に参戦するスクーデリア・フェラーリはF1第6戦マイアミGPを翌週末に控えた2024年4月24日(水)、HP Inc.(ヒューレット・パッカード)との複数年に渡る「歴史的」なタイトル・パートナーシップの締結を発表した。
フェラーリが冠スポンサー契約を結ぶのは、フィリップモリス・インターナショナル(PMI)が立ち上げたプロジェクト、ミッション・ウィノウとの契約が終了した2021年以来、初となる。
これに伴いマラネッロのチームは5月3~5日のマイアミ・インターナショナル・オートドロームでの次戦より「スクーデリア・フェラーリHP(Scuderia Ferrari HP)」の名前でFIA-F1世界選手権にエントリーする。
またF1チームのみならず、Eスポーツチームやフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)所属のマヤ・ウォグが参戦する女性限定シリーズ「F1アカデミー」のクルマにもHPのロゴが掲載される。
英「SportBusiness」の報道によると、本契約の年間価値はレッドブル・レーシングがオラクルとの間で締結しているタイトルスポンサー契約のそれに匹敵する額だという。
マックス・フェルスタッペン擁する英国ミルトンキーンズのチームが昨年、発表したオラクルとの契約は、年間1億ドル、日本円にして約155億円での5年契約と伝えられており、現行グリッドで最も高額なスポンサー契約と考えられている。
スクーデリアは来季よりカルロス・サインツの後任として、現行ドライバーの中で最も年俸が高額とされているドライバーの一人、7度のF1ワールドチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンをチームに迎え入れる。
HPとの提携は単なるスポンサーシップに留まるものではない。
戦略的意思決定の最適化などを支援すべくHPは、アダプティブPCを含む各種デバイス、オンラインミーティング技術など、自社が持つ高性能製品とサービスとチームに提供する。
フェラーリとHPは共に、テクノロジーやスポーツを通じて持続可能なイノベーションを加速させることを目指しており、また、チームやコミュニティ内の教育イニシアティブを拡大し、次世代を担う若手をサポートするために協力していく。
フェラーリのベネデット・ヴィーニャCEOは「フェラーリの創業者が我々に託したのは、常に前進し続けるという意志だった。これを受けて我々は公道においても、サーキットにおいても革新への意欲を持ち、カーボンニュートラルから若い世代の教育まで、持続可能な未来にコミットしてきた。我々と同じ価値観を持つHPは理想的なパートナーだ。共に新しい機会と課題に挑戦する事を楽しみにしている」と語った。
個人向けコンピューターやプリンターの製造販売で業界をリードする米国カリフォルニア州に本社を置くHPはこれまで、ウィリアムズやザウバーとの提携を通してF1に関与してきた経歴を持つ。
また、法人向けハードウエアを開発するHPEは現在、メルセデス及びザウバーと契約を結んでおり、法人向けのコンサルティングなどを手掛けるDXCテクノロジーは昨年より、フェラーリと契約を結んでいる。
この契約には、昨年講じられた商業戦略部門の強化が背景にあるものと見られている。
フェラーリはロレンツォ・ジョルジェッティをチーフ・レーシング・レベニュー・オフィサーとして、ジョージ・プライヤーをパートナーシップ・アセット・マネジメント責任者として各々、ACミランから引き抜いた。
マイアミGPに先立っては、2024年型マシン「SF-24」の一戦限りの特別なカラーリングのお披露目が行われる。
ドライバーのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツはもちろん、フェラーリCEOのベネデット・ヴィーニャやチーム代表のフレデリック・バスールに加えて、HPのエンリケ・ロレスCEOが出席する予定だ。