シーズン中のタイヤ仕様変更案が否決、フェラーリやレッドブルが苦戦する「シン・ゲージ」の継続が決定
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F1オーストリアGP初日金曜日にシーズン中のタイヤ仕様変更に関する会合が行われ、2018年仕様のコンパウンドへの変更案が否決された。
F1公式タイヤサプライヤーのピレリは今年、オーバーヒートを防ぐことを目的として従来よりもトレッド厚を0.4mm薄くしたタイヤ、いわゆる”シン・ゲージ”(thinner gauge)を投入したが、一部チームはこの変更はメルセデスに不当に恩恵をもたらしたとして不満の声を挙げていた。
実際メルセデスは今年負け無しの8連勝を飾っており、タイヤを機能させる事が出来ずにもがくレッドブル・ホンダやフェラーリは、シルバーアローに太刀打ちできない状況が続いている。
1チームが圧勝を続ける現状に危機感を抱いたか。F1を所有するリバティ・メディア主導のもと、レッドブル・リンクで会合が行われ、全10チームの代表者及び、F1のスポーティングディレクターを務めるロス・ブラウン、FIAの技術責任者のニコラス・トンバディス、そしてピレリのマリオ・イゾラが出席した。
ドライバーからはルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、ロマン・グロージャン、シャルル・ルクレールの4名の現役ドライバーに加えて、GPDA会長のアレックス・ヴルツが参加した。
仕様変更のためには全7チームの賛成票が必要となるが、投票の結果、賛成5チーム、反対5チームで変更案は否決された。伝えられるところによれば、反対票を投じたのはメルセデスとそのカスタマーチームであるレーシング・ポイントとウィリアムズ、そしてルノーとマクラーレンだったという。
反対が過半数を占めたことで、2019年シーズンの残りもシンゲージが継続される事になる。会合では仕様変更の議論の他に、今シーズンの幾つかの金曜フリー走行で、2020年型のコンパウンドをテスト出来るようにする旨の提案も行われたようだ。