F1モナコGP、レッドブル勢に対するフェラーリの異議申立てを却下…ペレスの優勝とフェルスタッペンの3位が確定

プールに飛び込み勝利を祝うセルジオ・ペレスとレッドブル、2022年5月29日F1モナコGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

F1モナコGPのスチュワードは、レッドブル勢がピット出口違反を犯した疑いがあるとするスクーデリア・フェラーリからの異議申立てを却下した。これによりセルジオ・ペレスの優勝、並びにマックス・フェルスタッペンの3位表彰台が確定した。

雨の影響で2度に渡って赤旗が振られた波乱のレースを終えてフェラーリは、レッドブルの2台がピットアウト時に、ピット出口に位置するイエローラインの右側を走行しなかったとして抗議を申し立てた。

違反の根拠としてフェラーリは、レースディレクターのイベントノート第11条1項および、2022年FIA-F1競技規定第16条1項ならびにFIA国際スポーツ規約(ISC)付則L第4章5項を挙げた。

スチュワードは異議申立て申請を受理すると共に、公聴会を開いて両チームの当事者から話を聞いた。レッドブル側からはジョナサン・ウィートリー、フェラーリ側からはイニャキ・ルエダが出席。FIA競技部門を代表してレースディレクターのエドゥアルド・フレイタスが同席した。

ペレスの一件に関しては、フェラーリ側が前後タイヤのいずれもがイエローラインの左側に出ていなかった事を認めたため、すぐに抗議が却下された。

フェルスタッペンの一件に関しては、23周目のピットアウト時に左前後タイヤの一部がイエローラインの左側に出ていた事が認められたが、同時に両タイヤの大部分がライン上に残っていた事について全当事者が合意した。

フェラーリはフェルスタッペンに対する抗議に関して、2021年のF1オーストリアGPにおける角田裕毅(アルファタウリ)の違反を前例として挙げたが、2022年のISC付則L第4章5項は当時とは記述が少し変更されている。

スチュワードはまず、2022年F1競技規則第2条1項にある通り、レースディレクターのイベントノートはISCやF1競技規定を前提として成立するものであり、優先される事を指摘した。今回のイベントノートは2021年版のノートを「コピペ」したもので、2022年のISC付則の変更が反映されていなかった。

その上でスチュワードは、ISC付則L第4章5項cが「ピット出口でクルマはラインを”超えてはならない “と規定している」とした上で「今回のケースにおいてはラインを超えてはいない。違反とみなされるためにはラインの左側に車輪全てが出ていなければならない」と指摘した。

この結果、フェルスタッペンが各規定に違反していなかった事が明らかにされ、スチュワードは抗議を却下して、フェラーリからの抗議費用を没収した。

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