F1イモラ:RBに懲罰、あまりに”特異”な状況下での「リカルドとマグヌッセンのニアミス」を巡り

ダニエル・リカルドの3号車VCARB 01をガレージに戻すビザ・キャッシュアップRBフォーミュラ1ピットクルー、2024年5月18日(土) F1エミリア・ロマーニャGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1エミリア・ロマーニャGPのスチュワードは、FP3で発生したダニエル・リカルドとケビン・マグヌッセン(ハース)のニアミスを巡り、RBチームに5,000ユーロ(約85万円)の罰金を科す決定を下した。

通常、フリー走行中の「妨害」について調査が行われる事は殆どないが、一件はマグヌッセンがリカルドとの衝突を回避すべく、時速225km/hで芝生を滑走した事から「潜在的に危険」との判断が下され、聴聞会が行われるに至った珍しいケースだ。

インシデント自体も特異なものだった。ニアミスが発生したのはチェッカーフラッグが振られた後の事であって、その点において一般的な意味での「妨害」が発生する余地はなかった。マグヌッセンが高速で走っていた事は確かだが、ラップタイムを残せるわけではなかったのだから。

スチュワードがプラクティス中のインシデントに対してペナルティを科すケースはあるが、それらはチェッカーフラッグが振られる前に発生したものだった。

インシデントはターン14への向かう丘の頂上を過ぎた場所で発生した。故にリカルドにしろマグヌッセンにしろ、両者がコックピット内からお互いを視認できる余地はなかった。

また、当時は赤旗を経てチェッカーまで残り2分というタイミングでセッションが再開された直後のことだった。

チェッカー前にコントロールラインを越えてフライング・ラップに入った者、時間内にラップを開始できるようアウトラップを急ぐ者、そもそも計測ラップを走るためではなくスタート練習のためにコースに出た者など、これらが入り乱れる「異例」の状況だった。

こうした状況を踏まえた上でヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団は、「多くの緩和的状況」にあったとは言え、RBのピットウォールがリカルドに対してマグヌッセンの接近を「適切に警告」しなかった事が「潜在的に危険な状況」を生み出した事に疑いはないと結論付けた。

そして過去にあった同様のケースよりも大幅に減額した罰金を科すと共に、リカルドに対してはペナルティを科さない判断を下した。

F1エミリア・ロマーニャGP特集

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