F1、カタールGPでリアウイングに関する新たな検査を実施…メルセデスに疑いの目を向けるレッドブルの要請を受け

メルセデスW12をドライブするルイス・ハミルトン、2021年11月20日F1カタールGPにてCourtesy Of Daimler AG

レッドブル・ホンダの要請を受け国際自動車連盟(FIA)は、リアウイングに関する新たな荷重検査をF1カタールGPで導入した。ただしこれは情報収集を目的としたもので、不合格になっても失格になる恐れはないようだ。

伝えられるところによると、この新たなテストは週末を前に各チームに前もって通達がなされていたとの事で、FIAは今回の検査結果を元に技術諮問グループと共に今後の対応を検討する予定だと言う。

具体的にどういった検査なのか? レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表によると、リアウイングのメインプレーン後部に70〜80kg相当の負荷を段階的に加えていき”たわみ”を測定するのだという。

ホーナーはSky Sportsとのインタビューの中で、メルセデスのストレートライン速度は「少しずつ落ちてきていて、今は我々と似たようなレベル」にあるとして「負荷テストが功を奏しているのだと思う」と語った。

この先にどういう展開が待ち受けているのかは誰にも分からないが、ホーナーは「我々が懸念しているのは、ここ(カタール)と言うよりも、潜在的に直線速度が有利となり得るサウジアラビアやアブダビだ。我々はFIAがこの問題に真剣に取り組んでくれている事を嬉しく思っている」と述べ、歓迎している。

レッドブルはメルセデスW12のリアウイングがレギュレーションに違反していると考えており、FIAに対する働きかけを続けてきた。前戦サンパウロGPに続き、カタールGPでもFP3を前にFIAテクニカル・チーフを務めるニコラス・トンバジスと話をする姿が目撃されている。

ブラジルでの週末には証拠不十分として即座に法的手段に訴える考えはないとしていたが、1週間を経てレッドブルは違法の証拠としてW12のエンドプレートとメインプレーンとの接点付近にある”スコアマーク(擦り傷)”に焦点を当て、このまま使用を続ければ正式に異議申し立てを行うと警告した。

曰く、このスコアマークがメインプレーンがたわんでいる証拠で、不当な手段によってドラッグを低減してトップスピードを引き上げていると言うが、メルセデスのトラックサイド・エンジニアリング部門を率いるアンドリュー・ショブリンは、そもそもそんな跡は存在しない等として、合法性に自信を示している

F1カタールGP特集

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