金を懸けるならハミルトンではなくフェルスタッペン…攻撃性が経験を凌駕する、とF1アナリスト
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本来であれば今年はシーズンを通してマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)の頂上決戦が期待できるはずであったものの、その思惑は新型コロナウイルスによって泡と消えつつある。
円熟の絶対王者か、それとも天賦の才を持つ若きオランダ人ドライバーか。第一期ハイブリッド時代最後のシーズンとなる2020年。史上最年少F1ワールドチャンピオンの誕生を予想する者もいれば、ハミルトンがミハエル・シューマッハに並ぶ7冠目を達成し、V6ターボ時代の圧政を完成させると読む者もいる。だが、いずれが勝利を手にするかについては見解が分かれても、今季の主役がこの2人である事に異論を唱える者はいない。
かつてジョーダンやジャガーでテクニカルディレクターを務めたゲイリー・アンダーソンはこの程、ポッドキャスト「The Gary Anderson F1 Show」の中で、フェルスタッペンとハミルトンの比較論を披露した。技術アナリストとしての第二の人生を歩むアンダーソンはフェルスタッペンを推す。
「それは誰もが切望する戦いだ」とアンダーソンは語る。「ハミルトンは35歳、フェルスタッペンは22歳だから、2人の間には12~13年の差がある。2人とも同じように幼少期からカートを始めているから、ルイスはマックスよりも経験が豊富だしレースにも精通している」
「マックスはまだ若干未熟なところがあるけど生まれ持った素質がある。スピードもあるし競争力も高く、自分の能力に大きな自信を持っている。だからこそ、この2人の対戦に期待してしまうんだ。でも私なら自分の金はマックスに懸ける。彼のアグレッシブさがルイスの経験を凌駕すると思うからだ」
アンダーソンによると、ハミルトンの優位性と強さの秘密は、彼の能力を最大限に発揮できる環境作りにあるという。よって2人が同一環境に置かれた状況を想定した場合、アンダーソンはフェルスタッペンがハミルトンに勝ると考えている。
アンダーソンは「ルイス自身は決して攻撃的なドライバーではない。彼は常に良いプランを持ち、素晴らしいチームと共に過ごし、そして好機を得てきた。マインド面では常にプレゼンスを示しているが、マックスには生来のアグレッシブさが組み込まれている」と説明する。
「ルイスは過去これまでに何度かチームメイトと喧嘩をしたことがあるが、それにうまく対処出来ていなかったように思う。それにマシンが思うほど良くなかった時にも何度か子供のようにカッした事があった。もし2人が同じツールを使って同じ仕事をしているとすれば、私はマックスに金を懸ける」