F1エミリア・ロマーニャ決勝グリッドとタイヤ戦略考︰晴れ、それとも雷雨? 大きくゲインした角田裕毅

F1エミリア・ロマーニャGPスプリントで隊列をリードするシャルル・ルクレール(フェラーリ)、2022年4月23日イモラ・サーキットCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

4月24日(日)の日本時間22時よりイモラ・サーキットで開催されるF1第4戦エミリア・ロマーニャGPの公式スターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動と、決勝でのタイヤ戦略を見ていこう。

今週末はカルロス・サインツとエステバン・オコンが2基目のICE(内燃エンジン)を開封するなど、計8台が何らかのパワーユニット・コンポーネントを交換しているが、いずれも規定上限内で降格ペナルティの対象ではなかった。

またオコンに関しては新品のギアボックス・ケース及びカセット、並びに駆動部品・ギアチェンジ・補助部品を開封しているが、いずれも今季2基目で規定の範囲内だった(4基までOK)。参照:F1レギュレーション解説「ギアボックス編」

ただ、アルファロメオが2重のパルクフェルメ違反を犯した事で周冠宇がピットレーンスタートを命じられたため、スプリントの結果とグリッドに差異が生じた。

想定されるタイヤ戦略

圧倒的に1ストップが有利だ。イモラ・サーキットはピットレーンの長さが528mとF1カレンダーの中で最も長く、ロスタイムが約25秒(作業時間除)と非常に大きい。加えてコース上でのオーバーテイクも難しい。基本的には全車が63周のレースで1ストッパーを目指す事になる。

よって主流はミディアムでスタートして30周程度を走った後、ハードに履き替える戦略になるだろう。40周位まで第1スティントを引っ張る事ができれば第2スティントでソフトを履く事も可能だ。21周で行われたスプリントでは殆どがソフトを選択した。

無論、セーフティーカーが導入されたり、途中で降雨があれば、チームはその都度、最適な対応を検討する事になる。

アルボン、奇策再び?

ハードタイヤは特にフロント側のウォームアップに時間がかかるため出だしで遅れを取る可能性が高いが、前戦オーストラリアで第1スティントを最終周まで引っ張る奇策を披露し、驚きの10位入賞を果たしたアレックス・アルボンは、今回も同様のアプローチを取るかもしれない。僚友のニコラス・ラティフィもこれに倣う可能性がある。

なおピレリによるとソフトとミディアム間のギャップは約0.4秒、ミディアムとハード間のタイム差は約1秒と推定される。

ドライ?それとも雨?

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラが「ドライコンディションが保証されているわけではない」と語るように、 日曜午後のイモラは雷雨になる可能性があり、降水確率は約60%と高く、気温も17℃程度までしか上がらない予報が出ている。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

FIA土曜記者会見に出席したヘッド・オブ・カーレーシングとしてピレリF1の現場を統括するマリオ・イゾラ、2022年4月23日F1エミリア・ロマーニャGP

雨が降った場合は雨量に応じてインターミディエイトかフルウェットのいずれかをチョイスする事になる。スタート前から降っていればレコノサンスラップを通してどちらのコンパウンドが最適かを判断する事になるが、セーフティーカースタートの場合はフルウェットを履かなければならない。

2022年F1エミリア・ロマーニャGP 決勝グリッド

スプリントの勝者であるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションにつき、最前列2番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が並ぶ。

なおスプリントで最も多くポジションを上げたのはカルロス・サインツ(10番手→4番手)で、これに角田裕毅(16番手→12番手)とセルジオ・ペレス(7番手→3番手)が続いた。

逆に最も順位を落としたのは、周冠宇を除くとセバスチャン・ベッテル(9番手→13番手)とケビン・マグヌッセン(4番手→8番手)で、各々4つポジションを失った。

63周の本レースは現地15時、日本時間22時にブラックアウトの時を迎える。日本ではDAZNフジテレビNEXTで生放送・ライブ配信される。

Pos No Driver Team Qualifying
1 1 M.フェルスタッペン レッドブル 1(-)
2 16 C.ルクレール フェラーリ 2(-)
3 11 S.ペレス レッドブル 7(+4)
4 55 C.サインツ フェラーリ 10(+6)
5 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 3(-2)
6 3 D.リカルド マクラーレン・メルセデス 6(-)
7 77 V.ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 8(+1)
8 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 4(-4)
9 14 F.アロンソ アルピーヌ・ルノー 5(-4)
10 47 M.シューマッハ ハース・フェラーリ 12(+2)
11 63 G.ラッセル メルセデス 11(-)
12 22 角田裕毅 アルファタウリ 16(+4)
13 5 S.ベッテル アストンマーチン・メルセデス 9(-4)
14 44 L.ハミルトン メルセデス 13(-1)
15 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 15(-)
16 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 19(+3)
17 10 P.ガスリー アルファタウリ 17(-)
18 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス NC
19 6 N.ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 18(-1)

F1エミリア・ロマーニャGP特集

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