将来有望と目されたオコンのF1復帰シーズンを形無しにするダニエル・リカルド

R.S.20のヘイローに手をかけ横を見るルノーのダニエル・リカルド、2020年F1ロシアGPにてcopyright RENAULT SPORT

輝かしい将来に向けての第一歩となるかに思われたフランス期待の若手、エステバン・オコンのF1復帰シーズンは、ダニエル・リカルドという強力なチームメイトの存在によって危ういものになっている。

オコンはヨーロッパF3選手権の参戦初年度にマックス・フェルスタッペンを下してタイトルを獲得するなど出世街道を歩み、2017年にフォース・インディアからF1フル参戦を果たした。

パドックで高い評価を得るセルジオ・ペレスを相手に、負けず劣らずのレースを披露するなど印象的なデビューシーズンを過ごし、意気揚々と2年目に臨んだまでは良かったが、ローレンス・ストロールによるチーム買収を経て、その息子ランスにシートを奪われた。

夢は潰えたかに思われたが、メルセデスのリザーブドライバーとして1年のF1浪人生活を送った後、母国の自動車メーカー、ルノーとの契約を勝ち取った。

F1という最高峰のスポーツにおいて2度目のチャンスを得る事は非常に難しく、オコンに賭けるルノーの期待の大きさが表れた形だが、グリッドで5本の指に入るリカルドの前に、今季のオコンは完全に影を潜めている。


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対戦成績で見ると予選では1勝9敗、決勝リザルトでも2勝8敗と大きく負け越し、ドライバーズチャンピオンシップでは、63点を稼ぎ6位につけるリカルドの27点ビハインドの12位に留まっている。

リカルドはシルバーストン、スパ・フランコルシャン、そしてムジェロを4位でフィニッシュ。表彰台まで後一歩と迫る走りを継続しており、先日のソチ・オートドロームでも輝きを放った。

チームオーダーで順位を入れ替えた際、ポジションを譲られたタイミングが遅くオコンがエイペックスにいたために、リカルドはターン2でトラックリミットを越え5秒ペナルティが科されてしまった。だがリカルドは、言い訳など一切せずに、無線でチームに「僕のミスだ。(挽回するために)この後ペースを上げる」と語り、その後、有限実行のパフォーマンスを披露した。

それまで1分40秒8前後で推移していたペースは、先の発言の翌周に1秒近く縮まり、リカルドは以降コンスタントに1分39秒を刻んでいった。ペナルティ前10ラップの平均エンジン全開率は52.2%であったが、以降の10周では57.2%へと跳ね上がり、最終的にシャルル・ルクレール(フェラーリ)を10秒引き離して見事5位でチェッカーを受けた。

レースを終えたリカルドは「完璧とは言えないけど、全体としてはかなり良いレースが出来たと思う。ペナルティに気を取られる事なく集中力を切らさずにレースを続ける事が重要だった」と語った。

リカルドは今季限りでルノーを去りマクラーレンへと移籍するが、オコンの脅威が消える事はないかもしれない。来年は2度のF1ワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソがエンストンのチームに復帰する。ストフェル・バンドーンやパスカル・ウェーレイン等、才能を高く評価されながらもF1を去っていったドライバーは数しれない。


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