カルロス・サインツ、遂に移籍先を決心? 特別な「解除条項」付きとの噂

故アントワーヌ・ユベールの追悼イベントに参加するカルロス・サインツ(フェラーリ)、2024年7月25日F1ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of Ferrari S.p.A.

ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍が発表された今年2月以降、ドライバーズ・マーケットの主役であり続けてきたカルロス・サインツ(フェラーリ)が遂に、決心を固めたとの憶測が流れている。

これはサインツの父、カルロス・サインツSr.とマネージャーのカルロス・オノロ・サインツがベルギーGPの初日にウィリアムズのモーターホームで目撃されたことに端を発する。確実なことは不明だが、チーム代表のジェームズ・ヴァウルズと会談したと見る向きもある。

独F1-Insiderが伝えたところによると、サインツは英グローブのチームとオプション付きの1年契約を結ぶ見通しで、推定約1,000万ユーロ(約17億円)の契約には、2025年にメルセデスまたはレッドブルへの移籍のチャンスが生じた場合、途中解除または、ウィリアムズでの職務開始前であっても契約を解約できる特別な条項が含まれているという。

メルセデスというのはまだ理解できるが、レッドブルが含まれているため、にわかには信じがたい話だ。

メルセデスがハミルトンの後任としてアンドレア・キミ・アントネッリを起用しないことを決断した場合、サインツはメルセデスに、アントネッリはウィリアムズに…という内容でメルセデスのトト・ウォルフ代表とヴァウルズが内々で合意するのは、かつての上司と部下という2人の関係を考えれば想像できる話ではある。

しかしながらレッドブルの場合はこの限りではない。仮にサインツを失った場合、ウィリアムズはサインツの後任を自力で見つけ出さなければならなくなり、時期によっては窮地に追い込まれる可能性もある。名門ウィリアムズの復権に向けて本気のヴァウルズがこのような一方的な内容を飲むとは考えにくく、憶測の域を出ない話であるように思われる。

Courtesy Of Ferrari S.p.A.

フェラーリのモーターホームを出るシャルル・ルクレールとカルロス・サインツ、2024年7月27日F1ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)

依然としてサインツはマーケットの注目株であり続けている。

伝えられるところによるとアルピーヌの特別顧問に就任したフラビオ・ブリアトーレは母国イタリアのメディアに対して、サインツの獲得に向けて一切の努力を惜しまない意向を明らかにしており、2026年にアウディのワークスチームとなるザウバーも、幾度となく回答期限を延長してサインツが首を縦に振るのを待ち続けているとされる。

移籍先の発表時期について問われたサインツはスパでの週末に先立ち、「僕がその質問に正直に答えると思う?これだけ時間が経った今になって、明日とか5日後とか、夏休み前とか、どのタイミングで決断するかを話すと思う?」と返した。

「正直、その質問には答えられない。単純に僕自身が分からないからね。夏休み前になるか、夏休み後になるか。分からないよ」

また、チャンスを待つためにサバティカル休暇を取って浪人生活を過ごすつもりはないとも強調した。

2025年の契約が未定のドライバーはサインツの他に、バルテリ・ボッタスと周冠宇のザウバー組、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)、そしてダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)がいる。

ベルギーGP後のサマーブレイクを機にシリー・シーズンが過熱するのは毎年のことだが、セルジオ・ペレス(レッドブル)の去就に関して話し合いが行われることもあり、今年は例年以上に騒がしい夏になるかもしれない。

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