ブルーノ・ファミン、F1エンジン事業転換に専念すべく8月末でアルピーヌF1代表を退任
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アルピーヌのF1チーム代表を務めるブルーノ・ファミンは、ルノーのF1パワーユニット(PU)開発拠点、ヴィリー=シャティヨンの事業転換に関するプロジェクトに専念するため2024年8月末を以て退任する意向を明らかにした。
アルピーヌは約1年の間にF1チーム代表が3度交代することになる。後任は明らかにされていないが、FIA-F2選手権およびF3に参戦しているハイテックのチーム代表、オリバー・オークスの名が取り沙汰されている。
F1ベルギーGPの初日を迎えたスパ・フランコルシャンでファミンは、ルノーがヴィリー=シャティヨンのスタッフをアルピーヌの市販車部門に再配置する計画を検討していることを認め、現在、幾つかの代替メーカーとの間でPU供給を巡る話し合いを行っていると説明し、次のように続けた。
「この1年に渡って私は、モータースポーツ担当副社長としてヴィリー=シャティヨンを統括し、耐久レース、ダカール、フォーミュラE(日産)のプロジェクトを並行して担当してきた。それに加えて、BWTアルピーヌF1チームのマネージングディレクターも務めてきた」
「ヴィリーに関する新プロジェクトの重要性を考えると、私の時間をヴィリーの活動に集中させることが会社にとって、より有益だと思う。他のモータースポーツ活動や変革プロジェクトに専念することで、ヴィリーの全てのスタッフに大きな影響を与えることができるだろう」
アルピーヌは今後数年間で最先端技術を搭載した7つの新しいロードカーを開発するという野心的なプロジェクトを掲げており、現在F1パワーユニット開発に取り組んでいるヴィリー=シャティヨンのリソースを新製品の開発に充てることを検討している。
ヴィリー=シャティヨンの従業員についてファミンは「この大規模なプロジェクトに時間を捧げるに値する人材だと思う。このプロジェクトは巨大だ。それが私がこの役割を終える理由だ」とファミンは付け加えた。
ルノーがF1事業の撤退を検討しているという噂は数ヶ月前からあったが、元ルノーF1代表のフラビオ・ブリアトーレがF1担当エグゼクティブアドバイザーとして古巣エンストンのチームにカムバックすると話が加速。切り替えに向けたメルセデスとの交渉の事実が浮上した。
ブリアトーレの合流により組織内におけるファミンの立場が弱まったとの見方もある。
ファミンは、特に質問されていないにも関わらず「フラビオとは何の問題もない。一緒に過ごした時間は短いが、まったく問題ない。彼には彼なりのやり方、目標がある。私としては何の問題もない」と語った。
ファミンはもともと2022年初頭にアルピーヌのエンジン部門を監督するために雇われ、その後、2023年半ばにモータースポーツ副社長に就任した。兼任という形でファミンがオトマー・サフナウアーの後任としてF1チーム代表の座を引き継いだのはちょうど1年前のことだった。