トロロッソ・ホンダ、宿敵ザウバーから選手権8位奪還を目指す / F1ブラジルGP《予選》サマリー
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チャンピオンシップでの8位奪還に闘志を燃やすトロロッソ・ホンダ。第20戦ブラジルGPは10日土曜に開幕2日目を迎え、フリー走行P3と予選が行われた。開催地インテルラゴス・サーキット上空は黒い雲に覆われ、雨が予想されるコンディションで一日がスタートした。
P3は、気温24℃、路面温度34℃のドライコンディションで開始。Red Bull Toro Rosso Hondaのピエール・ガスリーは、スーパーソフトタイヤでアタックシミュレーションを行い1分9秒402をマークし9番手。ブレンドン・ハートレーは1分9秒985で16番手。予選に向けてマシンのセッティングを進めた。
現地サンパウロ午後3時。空には厚く黒い雲が現れ、セッション中の降水確率が60%という状況の中で予選Q1がスタートした。トラフィック回避とコースの状況n見極めのため、2台のSTR13はライバルを先に行かせて最後にコースイン。1セット目のスーパーソフトタイヤでのアタックで、ガスリーが1分9秒501、ハートレーが1分9秒739をマークした。
2セット目のアタックに入る頃、コースの一部で小雨が降り始めたものの、ガスリーは1分9秒046、ハートレーは1分9秒280と自己ベストを更新しタイムアップ。2台はそのセットを履いたまま、1周のクールダウンラップを挟み再度アタックを行うも、更新は叶わずQ1終了となった。ガスリーは12番手でQ2進出を果たしたが、ハートレーは僅差の争いの中で17番手に終わり、1000分の16秒差でQ1敗退に終わった。
Q1で2番手につけたキミ・ライコネンと3番手セバスチャン・ベッテルは1000分の1秒単位まで同じ1分8秒452。一周70秒サーキットという事もあり、例年通りフィールドは超絶タイトなバトルとなり、ほんの僅かの差が明暗を分ける事となった。
「ターン8に向かう時にフロントをロックさせてしまうミスを犯してしまった」とハートレー。勝ち残れるはずのQ2を自らのミスによって逃した事に肩を落としたが、「マシンの感触は良いし、レースでは何だって起こりうる」と述べ、雨のトリッキーなレースが予想される11日の決勝に向けて気持ちを切り替えた。
さらなる降雨が懸念されたQ2。ガスリーはセッション早々にガスリーが1分8秒616のベストタイムを更新。セッション中盤から雨はやや雨脚が強まったため、2セット目のアタックではタイムを伸ばせずそのままチェッカー。見事10番手でQ3進出を果たした。
Q3開始時には雨も小康状態に。Q2までにタイヤを使い切っていたガスリーは、まずは中古のスーパーソフトで1分9秒029をマーク。その後、セッション終盤に新品タイヤで再度走行したもののタイム更新には至らず、予選10番手となった。トップ10入りは日本GP以来。セッションを振り返ったホンダF1の田辺豊治テクニカル・ディレクターは「力強い走りと見事なオペレーションの賜物」との認識を示し、ガスリーのQ3進出を評価した。
ミスもなかったのに何故ガスリーはタイムを上げられなかったのか?ジョナサン・エドルズ主任レースエンジニアは「原因が全くわからない」と首を傾げたが、Q3の最終アタックで自己ベストを更新したのはポールのルイス・ハミルトンとマーカス・エリクソンの2台のみ。路面状況は良好とは言い難い状況であった。
ダニエル・リカルド(Red Bull)とエステバン・オコン(Force India)がグリッドペナルティーを受ける関係上、ガスリーは5列目9番手、ハートレーは8列目16番手に繰り上がり、より高い位置から決勝をスタートする。
チームは、ロングランペースを改善すべくFP3でセットアップを変更。エドルズによればこの調整が功を奏したとの事。日曜の決勝に向けて「レースパフォーマンスも期待出来る」との期待感を示している。
コンストラクターズ8位の座を奪還すべく、2台のSTR13はダブルポイント獲得を目標に決勝に挑むが、倒すべきザウバーは2台ともがQ3に進出。共にガスリーより上のポジションからのスタートだけに、難しいレースが予想される。
ブラジルGP決勝レースは、11月11日(日)の現地午後3時10分、日本時間12日(月)午前2時10分にスタート。1周4309mのインテルラゴス・サーキットを71周する事で勝敗を決する。
トロロッソ・ホンダ:ブラジルGP 予選
ピエール・ガスリー予選: 10位, FP3: 9位
予選での感触は本当に良かった。Q3進出は素晴らしい結果だと思う。今日の自分のパフォーマンスには満足してるし、明日は9番グリッドからのスタートだから嬉しいよ。
セッション中はずっと、緊張とエキサイティングな気分が入り混じったような心境だった。Q1では徐々に雨脚が強まっていったけど、チームと一緒に何とかうまく対処でき、Q3まで進む事が出来た。
今日みたいな不安定なコンディションだと次のコーナーでグリップがどの位あるのか、路面がどの程度濡れてるのか全然分からないから凄く大変なんだけど、結果としては良い仕事ができたと思ってる。
今日の予選ではトップ10に入る事が出来たけど、周りのライバル連中はみんな速いから、明日のレースは簡単にはいかないだろうね。でもポイントを獲得するために全開でプッシュするつもりだ。
ブレンドン・ハートレー予選: 17位, FP3: 16位
今日はほんの僅かの差でQ2進出を逃してしまった。本当に悔しいよ。ターン8に向かう時にフロントをロックさせてしまうミスを犯してしまった。それが明暗を分ける事になった。雨が難しい状況を演出する予選だったけど、ピットウォールからちゃんと情報を得ていたし、エンジニアからはトラックコンディションについて無線で聞いて把握していた。
マシンには満足してるんだ。フリー走行の時はバランスに全然満足できてなかったんだけど、チームはここ数日素晴らしい仕事をしれくれていたからお礼を言わなきゃならない。今日は凄く接戦で、あと少しというところだった。厳しいレースになると思うけど、マシンの感触は良いし、明日のレースでは何だって起こりうる。特に天気予報通りにドライとウェットが混在するようなコンディションになればなおのことね。
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
昨日のフリー走行で得られたデータをもとに、チームはマシンのセットアップを煮詰めた上で午前の最終プラクティスに臨みました。その結果、良い感触を得た上で我々は予選に挑む事になりました。
午後の予選では時折小雨が降る状況のなか、チームが適切なタイミングでマシンを送り出した事に加えて、ピエールが力強い走りを見せてくれ、見事Q3進出を果たすことができました。
明日もレース中盤から終盤にかけて雨の予報が出ていますので、様々な状況を想定しシミュレーションを行った上で決勝に臨みたいと思います。
ジョナサン・エドルズチーフレースエンジニア
昨日はショートランが良かったもののロングランがイマイチだったから、昨夜はロングランのペースに焦点を当てて作業に取り組んだ。今日のFP3でもセットアップに色々と手を加え変更した結果、明日のレースで期待できるパフォーマンスを得られる状態になったと思う。
ロングランを改善させつつも、ショートランの良いペースを維持する事が重要だったんだが、1台は確実にQ3に進めると思っていたし、上手く行けば2台とも進出できると自信を持っていた。雨が降り出すのが分かっていたから、ピットウォールもガレージ内も凄く慌ただしく大変だったよ!
残念ながら、ブレンドンの方はQ1のアタックの際にターン8でロックアップするミスを喫し、わずか0.016秒差でQ2進出を逃してしまった。あれがなければ十分に次のラウンドに進めていたはずだ。
Q2もQ1と同じ様にドライとウエットが入り交じるトリッキーなコンディションだったが、インターミディエイトタイヤを履くほどの雨量ではなかった。Q2では、スーパーソフトを履いた状態で適切なタイミングでコース上にいる事が狙いだった。結果、上手く対応しQ3進出を果たす事が出来た。
Q3ではどういうわけか本来のペースを発揮できなかったので、原因を調査しなきゃならない。確かにQ2までにタイヤを多く使っていたから新品が1セットしかなく、その点でライバルの方が有利だったのは間違いない。だが、それを差し引いてもペースが不足していた。
Q1とQ2の時点で前もって予想していた程のペースが得られていないのは分かっていたから、Q3ではリスクを冒して他のマシンよりも後でアタックする事にした。戦略通りトラックポジションは良かったけど、勝負できる程のラップを刻む事は出来なかった。Q3に進めたのは良い事だし、明日のレースでは、昨日夜通しでマシンに加えた変更が役に立つはずだから期待している。