F1ベルギーGP タイヤ戦略考と手持ちセット︰角田裕毅とフェルスタッペンは変則アプローチか

スパ・フランコルシャンのピットレーンを走行するセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、2022年8月27日F1ベルギーGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

降格ペナルティが多発した事でリバースグリッド・レースかのような並びで行われるスパ・フランコルシャンでのF1第14戦ベルギーGP。44周の決勝では一体どのようなタイヤ戦略が考えられるのだろうか?

予想される天候・コンディション

3回に渡ってフリー走行が行われた初日金曜と土曜は時折小雨がぱらつき、気温も20℃以下という肌寒いコンディションとなった。

日曜のフランコルシャンはそれよりはやや気温が上がる見通しで、降水確率もかなり低い。ただ、以下に快晴であろうとスパで雨の可能性を全く考慮しないのはうつけ者のやることだ。

想定されるタイヤ戦略

理論上の最速ストラテジーについて公式タイヤサプライヤーのピレリは2ストッパーだとする一方、ミディアムからハードに繋ぐ1ストッパーも選択肢になると考えている。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ピレリが予想する2022年F1ベルギーGPのタイヤ戦略

ソフトを使った1ストッパーを除外しているのは、初日フリー走行でのデグラデーションを考慮しての事だろう。僅かにグレイニングが発生しているマシンが見られた。

ただ、タイヤを保たせられるのであればソフト、ミディアムと繋ぐ1ストップ戦略が最も速いはずだ。

ソフトで十分な1スティントをこなすのは難しいと考えるチームは2ストップを選ぶ事になる。スパはオーバーテイクが比較的容易であるためトラックポジションの重要性が低く、ピットストップが増える事によるデメリットは他のコースに比べて限定的だ。

ピレリはハードを使った1ストッパーを推しているが、気温が大幅に上昇しない限り、多くのチームはハードを使う事を嫌う可能性がある。

プラクティスでは度々ハードを履いたマシンが足を滑らせるシーンがあった。C2コンパウンドは熱入れが難しく、摩耗が進むと一層、タイヤに熱が入りにくくなる。

ドライバー別残存タイヤセット数

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2022年F1ベルギーGP決勝前時点での各ドライバーの手持ちタイヤ数

手持ちタイヤで注目すべきは新品ソフトの残りセット数だろう。予選最速を刻みながらも15番グリッドに着くマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を含む以下の6名はニューソフトを2セット残している。

  • マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
  • 角田裕毅(アルファタウリ)
  • セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)
  • ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)
  • ケビン・マグヌッセン(ハース)
  • バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)

この6名に関してはソフトを2セット使う変則の2ストップ戦略もあり得る。

逆にメルセデス勢や最前列に並ぶカルロス・サインツ(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)など、新品ソフトを持たない6名はミディアム、ハードの戦略が濃厚だ。

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