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2019シーズンFIA F1世界選手権 第13戦ベルギーGP決勝レースが9月1日に行われ、シャルル・ルクレールがキャリア初のポール・トゥ・ウイン。フェラーリに今季初の勝利を捧げると共に、自身初、モナコ人ドライバーとして初の優勝を飾った。
ルクレールは終始レースをリードしていたものの、フェラーリSF90はタイヤのデグラデーションに苦戦。スティント後半にペースが低下したことで、ファイナルラップにメルセデスAMGのルイス・ハミルトンに1秒以内に迫られるも、0.981秒速くチェッカーフラッグを受けた。
3位表彰台はバルテリ・ボッタス。2番グリッドのセバスチャン・ベッテルは、チームが2台で戦略を分けたこともあり上位勢として唯一2ストップを敢行。4位入賞に留まる悔しい結果に終わった。
ホンダエンジン勢は1台を事故で失ったものの、トリプルポイント獲得を果たす結果となった。予選5番手のレッドブル、マックス・フェルスタッペンが、スタート直後にアルファロメオのキミ・ライコネンと接触。左前のサスペンション周りを破損して事でコントロールを失い、オー・ルージュの中程でクラッシュを喫した。
スペック4エンジンの投入によって降格17番グリッドからスタートしたアレックス・アルボンは、オーバーテイクショーを披露。最終周にレーシングポイントのセルジオ・ペレスを抜き去り、見事5位入賞のカムバックを果たした。
トロロッソ・ホンダ勢は、19番グリッドのダニール・クビアトが殊勲7位入賞。13番グリッドのピエール・ガスリーは、1回目のピットストップが早過ぎた事もありレース終盤に失速。それでも何とかタイヤをマネジメントして9位入賞を飾った。だが、ターン5でのブレーキング時の動きがスポーツマンシップに反するとして、ブラック&ホワイトフラッグでの警告を受けた場面もあった。
© Getty Images / Red Bull Content Pool
サマーブレイク明けの初戦として行われたベルギーGPの舞台は、高低差102m、カレンダー最長を誇る高速のパワーサーキット、スパ・フランコルシャン。決勝は日本時間1日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、1周7,004mのコースを44周する事で争われた。
決勝前のグリッドでは、前日のFIA-F2選手権のレース1で発生したクラッシュの犠牲となり、22歳でこの世を去ったアンソニー・ユベールへの黙祷が行われた。ルクレールは幼少から凌ぎを削り合ってきた亡き友に、この初勝利を捧げた。
「遂に子供の頃からの夢が叶ったけど、その一方で昨日から非常に辛い時を過ごしている。僕らは友を失った」とシャルル・ルクレール。
「本当に辛い。この初勝利を彼に捧げたい。僕らは共に学び成長してきた。僕にとっての初めてのレースは、アンソニー(ユベール)とエステバン(オコン)、そしてピエール(ガスリー)と一緒だったんだ」
「心から勝利を喜べるような状況じゃないけど、今回の勝利は一生僕の胸に刻まれる事になるだろう」
この日のスパは上空に雲が広がったものの、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温16.8℃、路面27.2℃、湿度60.3%のドライコンディションで開始された。
公式タイヤサプライヤーの伊ピレリは、最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、多くのチームは中間コンパウンドのミディアムタイヤを第二スティントに投入した。
レース概要
注目のオープニングラップでは、カルロス・サインツ(Mclaren)がストール。スタートに失敗した。5番グリッドのフェルスタッペンもスタートに遅れ、ターン1の侵入の際にアウト側のキミ・ライコネン(Alfa Romeo)と接触。一気に最後尾にまで転落するも、コースに戻った。
だが、オー・ルージュを登り始めたところでステアリング操作が効かずにクラッシュ。セーフティーカーが導入された。ライコネンはピットへと入りフロントウイングを交換。サインツはクラッチにトラブルが発生した事で、フェルスタッペンと共にリタイヤを喫した。
ターン1ではダニエル・リカルド(Renault)も接触事故に巻き込まれた。コーナーから脱出しようとした瞬間に、ランス・ストロール(Racing Point)に右脇腹を小突かれた。一連の混乱に乗じて、ランド・ノリス(Mclaren)は6ポジションアップの5番手、クビアトは8ポジションアップの11番手を果たした。レースは5周目にリスタートを迎えた。
© RENAULT SPORT
トロロッソのピットは8番手を走行していたガスリーに対して、14周目という早い段階でいち早くピットインを指示。17番手でコースへと送り出した。結果的には、これがレース終盤にガスリーのタイヤ苦戦の要因となる。
2番手を走行していたベッテルは、上位勢としては最も早い16周目にピットイン。新品のミディアムタイヤに履き替えて5番手でコースに復帰した。今季初勝利を渇望するフェラーリは、リスク分散のために2台で戦略を分ける決断を下した。
フロアが破損してエアロバランスが狂った状態での走行を強いられていたライコネンは、16周目にケメルストレートでセルジオ・ペレス(Racing Point)とガスリーに挟まれ3ワイド。両側から一気に追い抜かれた。レースが出来るような状態でなかったものの、計3回ピットへと入り、16位でフィニッシュラインを駆け抜けた。
ラップをリードするルクレールは、22周目にピットインして4番手でコースに復帰。ベッテルがアンダーカットに成功した格好となった。その後ベッテルは、メルセデス勢のピットインによってラップリーダーへと躍り出るも、ミディアムでの10周目を迎える前に早くもペースダウン。デグラデーションに苦しみ、チームは26周目にチームオーダーを発動。ベッテルはホームストレートでルクレールに前を譲った。
ベッテルはタイヤに不満を訴えピットインを要求していたものの、フェラーリのピットはベッテルを障壁にしてルクレールを守る戦略を実行。ベッテルをステイアウトさせた。だが、32周目のケメルストレートでハミルトンにオーバーテイクされ3位に後退。ベッテルは34周目にピットインし、中古のソフトタイヤに履き替え4番手でコースに復帰した。
ダウンフォース不足のフェラーリSF90。デクラレーションの試練はルクレールにも襲いかかった。レース終盤に向けて徐々に失速するルクレールに対し、ハミルトンは着実にギャップを縮小。ファイナルラップに突入すると、1秒以内にまで迫った。
だが、残り1周でアントニオ・ジョビナッツィ(Alfa Romeo)がプーオンでクラッシュ。さらに、エンジンがストールしたために、5番手を走行していたノリスがホームストレート上でマシンストップと、立て続けにアクシデントが発生。黄旗が振られる中、ルクレールがハミルトンを振り切ってトップチェッカーを受けた。
2019年F1第13戦ベルギーGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 44 | 1:23:45.710 | 25 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 44 | +0.981s | 18 |
3 | 77 | ボッタス | メルセデス | 44 | +12.585s | 15 |
4 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 44 | +26.422s | 13 |
5 | 23 | アルボン | レッドブル | 44 | +81.325s | 10 |
6 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 44 | +84.448s | 8 |
7 | 26 | クビアト | トロロッソ | 44 | +89.657s | 6 |
8 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 44 | +106.639s | 4 |
9 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 44 | +109.168s | 2 |
10 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 44 | +109.838s | 1 |
11 | 4 | ノリス | マクラーレン | 43 | DNF | 0 |
12 | 20 | マグヌッセン | ハース | 43 | +1 lap | 0 |
13 | 8 | グロージャン | ハース | 43 | +1 lap | 0 |
14 | 3 | リカルド | ルノー | 43 | +1 lap | 0 |
15 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 43 | +1 lap | 0 |
16 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 43 | +1 lap | 0 |
17 | 88 | クビサ | ウィリアムズ | 43 | +1 lap | 0 |
18 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 42 | DNF | 0 |
NC | 55 | サインツ | マクラーレン | 1 | DNF | 0 |
NC | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 0 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 16.8℃ |
路面温度 | 27.2℃ |
周回数 | 44 |
セッション概要
グランプリ名 | F1ベルギーGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | スパ・フランコルシャン |
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設立 | 1921年 |
全長 | 7004m |
コーナー数 | 19 |
周回方向 | 時計回り |