マックス・フェルスタッペンのDNFに「心が折れそうになった」レッドブルのホーナー代表

ガレージ内で前のめりになりながら戦況を見守るレッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表、2021年6月6日F1アゼルバイジャンGP決勝レースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

2連勝によってチャンピオンシップでのリード拡大が確実視された中でのマックス・フェルスタッペンのクラッシュは、チーム代表のクリスチャン・ホーナーの心を折るに十分な悲劇だった。

フェルスタッペン自身の過失によるリタイヤであればまだしも、原因不明のパンク、それもレース中盤に既に不穏な気配を漂わせていた左リアのブローともあればやむを得ない。

セルジオ・ペレスの優勝によって折れかかっていた心を取り戻したホーナーは「とんでもないジェットコースターだった!」と1日を振り返った。

「今日はあらゆる感情を経験した1日だった。2016年以来の1-2フィニッシュまであと5周というところでマックスが原因不明のパンクに見舞われリードを奪われたわけで、本当に心が折れそうになった」

ピレリ、事故原因は摩耗に非ず

ホーナーの心労はペレスがリタイヤの危機に晒された事で更に増大された。よほどのストレスであったのだろう。ピットウォールでは久しぶりにホーナー名物、高速貧乏ゆすりが見られた。

ミルトンキーンズの長は「セルジオの方は油圧が失われていくという深刻な懸念材料があって、完走できる保証すらなかった」と明かした。

「だがセルジオは仕事をやってのけ、更には再スタート時にルイス(ハミルトン)がターン1でミスをした事でコンストラクターズ選手権でのリードを拡大する事ができ、挙げ句にマックスもドライバーズ選手権のリードを維持する事となった。そしてチェコ(ペレス)はランキング3位に浮上した」

「マックスにとっては悔しい結果となってしまったが、チェコがチーム移籍後初の優勝を果たしたことは喜ばしい。彼は週末を通じて本当に速かった。彼が表彰台の頂点に立ったことはチームにとっても大きな励みになった」

「また、力強い週末を経てピエール(ガスリー)が表彰台に上がる姿が見られたのも素晴らしかった」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台に上がったセバスチャン・ベッテルとセルジオ・ペレス、ピエール・ガスリー

決勝レース当日の朝、長年に渡って大株主としてマクラーレンF1チームを支えてきたマンスール・オジェが68歳という若さでスイス・ジュネーブの自宅で亡くなった。ホーナーはこの日の勝利を亡きサウジアラビア人に捧げると共に、エクソンモービルを始めとする利害関係者に対して謝辞を述べた。

「この勝利は、残念ながら今朝亡くなってしまったマンスール・オジェに捧げたいと思う。彼は人々の心を揺さぶるような人物で、幸運にも私が友人と呼べる一人だった」

「パートナーの面々にも心からの感謝を告げなければなるまい。今週末に向け、アップグレードされたエンジンオイルを提供してくれたMobil 1には特に感謝している。我々はこの選手権争いにおいて、チームのあらゆる分野で懸命な努力を重ねていく事を惜しまない。Mobil 1が良い例だ」


ポール・リカール・サーキットを舞台とする次戦フランスGPは、6月18日のフリー走行1で幕を開ける。

F1アゼルバイジャンGP特集

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