角田裕毅、デ・フリースとの接触でDNF「本当に苛立たしい」損傷でアンダーステアに

スプリントを前にチーム代表のフランツ・トストとグリッド上で話をする角田裕毅(アルファタウリ)、2023年4月29日F1アゼルバイジャンGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅が4月29日(土)のF1アゼルバイジャンGPスプリントでリタイヤを強いられたのは、アルファタウリのチームメイト、ニック・デ・フリースとの接触が原因だった。ウイングを失った結果、アンダーステアとなりコーナーを曲がりきれず、壁に衝突した。

16番グリッドに着いた角田裕毅はオープニングラップのターン2でチームメイトに先行を許し、ターン3のアウト側から前を狙ったものの脱出の際に接触。フロントウイングを破損した。

無線を通してデ・フリースへの不満と、ピットストップの必要性をチームに訴えた後、高速のターン13で異様なレベルのアンダーステアに見舞われ、そのまま壁に吸い込まれていった。

右リアタイヤが脱落し、リムを路面に擦り付けながらピットへと戻った後、一式の交換を経て再びコースに戻ったが、右リアサスペンションの破損によりレースを続ける事はできず、リタイヤを余儀なくされた。

一件は”アンセーフ・リリース”と見なされ、F1競技規定第34条14項d違反が認められた結果、チームに5,000ユーロ(約75万8,380円)の罰金が科される事となった

Courtesy Of Red Bull Content Pool

アルファタウリAT04をドライブする角田裕毅、2023年4月29日F1アゼルバイジャンGPスプリント

レースを経てインタビューに応じた角田裕毅は「あるドライバーと接触した結果、フロントウイングを失ってしまいました」と名指しを避けたが、その後のリリースの中で「追い抜こうとした際にニックとぶつかってしまいました」と相手がチームメイトであった事を認めた。

「彼は僕にスペースを残してくれませんでした。フロントウイングが壊れてしまったのですが、それに気づかず、いつもと同じように全開で(コーナー)にアプローチしてしまったんです」

「アクセルを少し緩めたのですが、コントロールし切れずウォールに突っ込んでしまいました。本当に苛立たしいです」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

アルファタウリのニック・デ・フリースと角田裕毅、2023年3月19日F1サウジアラビアGPのドライバーズパレード前

車両パフォーマンス部門を率いるギヨーム・デゾトゥーは「ニックはコーナーからの脱出の際にユーキのフロントウイングに触れてしまい、その結果、ユーキはアンダーステアになってターン13の壁に突っ込んでいった」と説明した。

「残念ながら、右リアの破損により彼のレースは終わってしまった。ニックの方は、タイヤに苦しんでいた何台かを追い抜きポジションを上げていく事ができた」

アップグレードされた改良型AT04の本領を発揮する前にクルマを降りる事になったとは言え、これで週末が終わったわけではない。最も多くのポイントが与えられる本戦で角田裕毅は、スプリントよりも遥かに上の入賞圏内8番グリッドに着く。

スプリントのリタイヤを乗り越え挽回できるか?と問われた角田裕毅は「もちろんです」と述べ、「明日に向けて気持ちを切り替えて、ポイントを獲得できるように頑張ります」と付け加えた。


F1アゼルバイジャンGPスプリントでは、セルジオ・ペレス(レッドブル)が2番グリッドからの逆転勝利を飾り、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が2位、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が3位に続く結果となった。

決勝レースは日本時間4月30日(日)20時にフォーメーションラップが開始され、1周6,003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

F1アゼルバイジャンGP特集

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