シャルル・ルクレール「違うよ猫だよ!」エンジン問題ではなかった混乱のチーム無線
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シャルル・ルクレール(フェラーリ)はバクー市街地コースで行われたF1アゼルバイジャンGPのスプリント中、首位を走行している際にエンジンに問題があるかのような報告を上げたが、実際にはコース上に迷い込んだ「猫」に言及しただけだった。
角田裕毅のクラッシュに伴うセーフティーカー導入下でルクレールは、無線を通してエンジンの「カットアウト」が生じていると受け止められるようなメッセージを発し、ファンとパドックの関係者の肝を冷やした。
上位を走行しながらも、フェラーリ製PUのトラブルによってドライバー達が泣きを見るのは決して珍しいことではない。だが、それは今回の件は単なる勘違いだった。
レース後の会見の中で「カットがあった」とする無線での発言について問われたルクレールは一瞬、何の事やら理解できないような困惑した表情を浮かべた後「違うよ!僕が言ったのはキャット(猫)だよ」と微笑んだ。
そして、隣に座っていたセルジオ・ペレス(レッドブル)の方を見ながら「道の真ん中に猫がいて、セーフティーカーが止まらなきゃならなかったんだ。多分、あれを見たのは僕だけなんじゃないかな?」と続けた。
ペレスはその隣にいたチームメイトのマックス・フェルスタッペンの方を向いて「僕は見なかったな。でもマックスなら、その猫をペットとして引き取ってくれるんじゃない?」と笑いを誘った。
2度のF1ワールドチャンピオンは以前、ミック・シューマッハにライオンをプレゼントした事がある。これは自然愛護団体「ボーン・フリー」を通してフェルスタッペンが保護した野生ライオンで、1ヶ月単位で里親になる事ができるというものだった。
会見でのやり取りを経てフェラーリは、ソーシャルメディアにコースを歩く黒猫の写真を投稿した。
Cut or cat? pic.twitter.com/uUgWzC3ey0
— Scuderia Ferrari HP (@ScuderiaFerrari) April 29, 2023
バクー市街地コースの迷い猫は珍しいものではない。初開催の2016年にはルイス・ハミルトン(メルセデス)の目の前を猫が横切る場面があった。
ルクレールはリスタートでポジションを守ったものの、デグラデーションによって徐々にペースが落ちていき、残り10周のメインストレートでペレスに交わされ、4.463秒差の2位でチェッカーフラッグを受けた。
「どの程度やれたのかは何とも言えないけど最善を尽くした」とルクレールは語る。
「僕らはまだレースペースが足りていない。これは間違いなく、僕らが今、取り組んでいる課題だし、もっと前からそうだった。解決策を見つけようと頑張ってる。予選に関しては問題なさそうだね」
「そうは言っても一歩前進したと思う。つまりオーストラリアと比べると改善しているって事だ」
「まだレッドブルのレベルには達していないから、やるべきことはまだたくさんあるれど、クルマには満足してる」
F1アゼルバイジャンGPスプリントでは、セルジオ・ペレス(レッドブル)が2番グリッドからの逆転勝利を飾り、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が2位、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が3位に続く結果となった。
決勝レースは日本時間4月30日(日)20時にフォーメーションラップが開始され、1周6,003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。