ニューウェイやワシェよりも…エンジニアの”自己過信”が不振の主な原因、とアルファタウリ
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スクーデリア・アルファタウリのピーター・バイエルCEOは、レッドブルより優れたクルマを開発できるとの一部エンジニアの自己過信がランキング不振の「主な原因」であるとの考えを示した。
シーズン序盤のAT04は最下位を争う水準のクルマであったが、後半戦に向けてレッドブルのデザインを取り入れ始めると急激にパフォーマンスが向上。コンストラクターズ選手権7位ウィリアムズには3点足らなかったが、それでも計25ポイントを獲得して8位と、最下位を逃れた。
アルファタウリはホンダエンジン搭載以降、中団上位を争う競争力を身に着けつつあったが、グランドエフェクトカー導入以降は一転、苦しいシーズンを強いられている。
2024年に向けて「スクーデリア・アルファタウリRB」の暫定ネームでのエントリーしているファエンツァのチームのCEOは独「Motorsport-Magazin」とのインタビューの中で、不振の理由について次のように述べた。
「ランキングで上位を掴めなかった主な理由は何か。ピエール・ワシェ(テクニカル・ディレクター)とエイドリアン・ニューウェイ(最高技術責任者)擁するレッドブル・レーシング以上に上手くやれるという一部のエンジニアの思い込みだったと私は思う」
「振り返ってみると彼らは何かと自己主張をしていた。だが結果的には、あらゆるチームがレッドブルの真似をしている」
「弟チームの我々は、自分たちの道を進んでいけると信じていたが、それは間違いだったし、それがゆえに今の状況があるのだと思う」
失意のシーズンスタートを経てフランツ・トスト代表は、一部のエンジニアに対する信頼は失われたとぶちまけた。これはAT04に期待されていた性能向上がもたらされなかった事を受けての発言で、問題視されたエンジニアはチームを去った。
途中加入のダニエル・リカルドとリザーブ・ドライバーのリアム・ローソンは各々6ポイントと2ポイントを計上した。角田裕毅は単独でチームランキング8位を確保する17ポイントを重ねた。
2023年にステアリングを握った4名の中で唯一、無得点だったのは、開幕戦から中盤までレギュラードライバーを務めた新加入、ニック・デ・フリースだった。
マシンに技術的な問題が存在する場合、新人を含む若手ドライバーが最適な学習経験を得ることは難しい。また逆に、発展途上の若手がクルマの問題解決に向けて一助となることも難しい。
バイエルは角田裕毅を「まだ成熟、成長を続けている途上にある半経験豊富なドライバー」としたうえで、「ルーキー的な存在だったニックは、新しいクルマと新しいプロセスに慣れるのに少し時間がかかった」と述べ、不振の理由として「技術的な不手際と若いドライバープログラムの組み合わせ」にも言及した。