アロンソ:AMR24を彷彿とさせる特注のアストン「ヴァルキリー」納車、ニューウェイ関与の”公道仕様F1マシン”
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アストンマーチンのハイパーカー「ヴァルキリー」の特注モデルが納車され、2度のF1ワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソが2024年9月4日にモンテカルロの街に繰り出した。
F1テクノロジーを公道仕様車に持ち込んだハイパーカー、ヴァルキリーは、徹底的なエアロダイナミクスの最適化と軽量化が施されたシャシーに、最大1,155馬力を発生させる6.5リッターV12ハイブリッドエンジンを搭載。0-60mph加速は2.5秒未満を誇る。
ヴァルキリーは、2025年に向けてアストンマーチンF1チームへの移籍が囁かれる伝説的なF1デザイナー、レッドブルの最高技術責任者(CTO)を務めるエイドリアン・ニューウェイが設計に協力したことでも知られる。
アロンソに納車されたヴァルキリーは、特別なカスタマイズサービスを提供する「Q by Aston Martin」と共同で作り上げられた特注仕様で、F1でアロンソがドライブするAMR24を彷彿とさせるサテン仕上げのレーシング・グリーンに塗装され、アクセントにAMRサテン・ライムが加えられている。
また、広大なベンチュリートンネルには、スピードレッドやライト&ダークブルーのグラフィックが追加され、ルーフ、エンジンカバー、下部エアロはカーボンファイバー剥き出しで、チタニウム製のウィングバッジが鼻先に配置されている。さらにリアには、「CAUTION HOT(高温注意)」の特注グラフィックがあしらわれている。
おそらくドライバー本人以外は目にすることがないだろうが、アルマイト加工によって赤く光るアクセルペダルには、アロンソのF1カーナンバーである「14」の数字が刻まれている。当時14歳だった1996年7月14日にカートで世界タイトルを獲得した際に付けていたナンバーが「14」だったことから、以来アロンソはこの数字をラッキーナンバーとみなしている。
「この日をどれほど待ち望んでいたか、言葉では表せない」とアロンソは語る。
「ヴァルキリーは、アストンマーチンがサーキットでの経験から得た知識とテクノロジーを最大限に活用した、まさに公道仕様のF1カーだ」
他のアストンのスポーツカーと同様にヴァルキリーもまた、英国ゲイドンのアストン本社で製造されている。専用のヴァルキリー生産エリアでは、専任のプロジェクトチームが製造から納車までの全過程を担当。熟練の技術者チームが限定150台のすべてを手作業で組み立てており、1台の製造には2000時間以上が費やされている。